多くのシニア社員の行動が変わりリスキリングの事例と社内への影響人事の運用を変えた50代社員の挑戦と考えたことがない人に、それを考える場を提供する機会であると位置づけています。そういったところが当社の取組みの特徴ではないかと思っています。こうした取組みの成果として、シニア社員のるのが、研修の1〜2カ月後に行っているキャリア面談です。というのも、このキャリア面談は、「変わる」きっかけをつかむまで終わりがありません。時間を決めず、「こういう行動をする」と本人の口からコミットしたときがゴールです。私は、最長10時間半の面談をしたこともあります。面談のポイントは、一つめは、行動を起こしたことがだれの目からも確認できること。二つめは、「いつまでに」ではなく「いつから」を約束することです。そしてもう一つ、面談終了後、面談を行った社員の上司に対して手紙を書きます。「○○さんは、キャリアについて、こんなことを考えていました」、「私に『こんな行動をしてみる』とコミットしてくれました」、「○○さんに対して、上司であるあなたは、こういうサポートをしてあげるとより効果が期待できます」といった内容の手紙です。そうすることで、上司も一緒に行動変容させることができるという面談となっています。このような取組みの効果として、行動変容のた」社員が5・6%、「変化があった」社員がになります。この数値は本人に聞いた回答ではなく、上司に聞いて上司が答えてくれた数値です。そして、研修や面談を受ける以前から自主的、能動的、積極的にキャリア自律を果たした人の割合が、2014年の1・5%から、2020年には26%まで上がっています。毎年、研修と面談を続けてきたなかで、40代の社員から、「50歳になったら浅井さんの研修と面談を受けるんですよね」という声が聞こえるようになり、いわゆる健康診断的なイベントとしてキャリア教育が定着した成果だと思います。自律した社員に共通するのは「変わらなきゃ」という思いがあること。そのうえで「これまでも成し遂げられた」という自信が背景にあり、新しいことを始めて失敗したときのデメリットより、成功したときのメリットのほうが大きいと思えることがキャリア自律の方程式です。紹介します。51歳の女性社員がグローバル事業にたずさわることを望み、当社の海外トレーニープログラムという制度を活用して、成果を上げています。公募制で競争率が高いうえ、海外派遣についてはそれまで44歳ぐらいまでと思われていたのですが、数年前から英語学習に励みつつ、アジアの通信事業について勉強をしていたそうです。その努力を受けて会社としてチャレンジを後押しすることになり、ほかの社員と比べても抜群の成果を上げました。以来、年齢にかかわらずベテラン層の挑戦も後押ししていこうと、会社の文化まで変えた事例です。していた55歳の社員は、クラウドサービスの高度な商品説明ができる社員が少なかったことから、自分が指導役になることを志願。大阪で3カ月、東京で8カ月間のOJTで学び、その領域における第一人者となって支店に戻り、指導役として活躍し、成果も上がっています。り、50代社員が新しいチャレンジを行い、活躍しています。最後に、当社におけるリスキリングの事例をまた、社員の高齢化が進む小さな支店に勤務このように、リスキリング・リカレントによ2024.31476%に行動変容が起こっています。その肝とな69・8%といった行動変容があったということ10年間の総合の数値ですが、「著しい変化があっ40代社員のキャリア自律への意識も変化
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