キャリア研修やキャリア面談は自分を客観視して次へ進む機会令和5年度 生涯現役社会の実現に向けたシンポジウムパネルディスカッション〜シニアの活躍に向けて大木 本日は、シニアの活躍に向けて、50歳からのキャリア開発・支援、リスキリングについて議論をしていきたいと思います。パネリストのお2人には、先ほど発表をしていただきましたが、20分という短い時間でしたので、はじめに補足事項がありましたら、旭化成株式会社の岡本さんからお願いいたします。岡本 シニア層を対象にした当社の研修について、少し補足をさせてください。自らのキャリアを考え、学び、行動することを重視し、50歳と55歳の節目に、キャリア研修、キャリア面談、上司キャリア面談を実施していることをお話ししました。50歳の研修では、自分の可能性や選択肢を広げていくこと、専門性を深めていくことをキーワードにし、まずは自己理解をしたうえで、自身の強みの部分をときほぐしたりし、未来を描くというオーソドックスな内容です。一方で、55歳のときには、客観的な自己理解を目的として、先輩社員の事例を共有し、自分がどう感じたかということをグループでディスカッションしていくという内容です。そのなかで、その人なりの反応が出てきたところをとらえて、アクションにつなげてもらう。そういった取組みをしています。大木 ありがとうございます。続きまして、NTTコミュニケーションズ株式会社の浅井さん、お願いいたします。浅井 シニア社員へのキャリア面談について、少し加えてお伝えしたいと思います。シニア社員の76%に行動変容を起こした取組みのなかでは、行動を起こすことを約束してもやってくれない人がたくさんいるということを、実際に私たちは想定済みでした。をする面談では、目標や行動計画を適当につくってもらうのです。初めて行うことはだれにも難易度がわかりませんから、修正ありきで最初は「エイヤー!」で目標を立てる。1カ月ないし2カ月はそれを試行し、その後に再び面談をして状況を聞き、修正をする。要は、修正ありきの目標計画を立てるのですが、修正には時間をかけています。そうすることで、自分にはどれぐらいの目標が適切なのか、あるいは、こういった目標が自分はわくわくするという感覚がつかめてきます。そういったことをやりながら、76%のシニア社員の変容につながっています。そういう人もいることから、最初の目標設定15特集生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム 〜開催レポートⅡ〜エルダー10月27日開催50歳からのキャリア開発・支援、リスキリング
元のページ ../index.html#17