キャリア研修の対象年齢の考え方同年齢で立場の異なる対象者への工夫見たところですが、シニア社員のアプローチ量は若手に引けを取らず、少し上ぐらいだと把握しています。「CLAP」のなかに、シニアクラスへの推奨メニューというページをつくり、50歳以上の社員に閲覧を呼びかけています。「キャリアに関しての考え方」や「ITスキル」をテーマに、関連するコンテンツとして「仕事と人生の調整の仕方」、「シニアの学びと成長」などをあげています。IT系については、人によって苦手・得意の幅が大きいので、このシステムで自分に適したものを選んで活用してほしいと思いますし、第2弾、第3弾のリコメンドメニューを出していこうと考えています。大木 もう一つ、岡本さんに視聴者の方からご質問です。シニア節目施策として、キャリアコンサルティング面談に加えて行われている上司面談では、どのようなことをしているのでしょうか。岡本 タレントマネジメントシステムを導入しています。社員一人ひとりの履歴書的なことや、どういったキャリア展望を持っているかなどについてシステムに入力してもらい、いろいろな人が見ることができるものです。キャリア面談で本人の考えを深掘りして、その内容についてもこのシステムに入力して、いま考えていることや、どういう流れのなかで考えが深まっていったのか、そんなことを上司と一緒に見て考えてもらい、上司からも話をしてもらいます。こういうツールを介して展開していくことで、いまはドライブがかかっていると感じています。大木 これも視聴者の方からのご質問です。こちらはお2人にご回答をお願いします。年齢基準でキャリア研修をする場合、同じ年齢で役職などの立場が異なるとむずかしい面があるように思います。役割の違いによるキャリア研修上の工夫は何かされているでしょうか。浅井 理者としています。従業員満足調査で、管理職はその責任の重さからきていると思うのですが、モチベーションと活躍度合が下がっていないことが把握できていたので、管理職は研修の対象外にしました。由があります。この施策を始めた2014年は、年金の支給開始時期が60歳から65歳に上がった頃でした。つまり、65歳まで働かなくてはいけなくなったわけです。5年間延びたインパクトがどの年代に大きいのかを調べるため、当時、各年代の社員にヒアリングをしました。すると、年金支給開始年齢は段階的に上がっていくということでしたので、55歳の場合は、働く期間が1年延びただけでそれほどインパクトがなかった一方で、最もインパクトがあったのが50歳前後でした。「退職まであと10年」と思っていたところが15年になり、ガクンと気持ちが落ちたという調査結果でした。そこで、50歳を対象にしようと決めたのです。ほかの研修についても、だれを対象とすべきか、マーケティング調査を当社の場合、キャリア研修の対象は非管それから、50歳を対象としていることにも理19特集生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム 〜開催レポートⅡ〜NTTコミュニケーションズ株式会社 ヒューマンリソース部キャリアコンサルティング・ディレクター 浅井公一氏エルダー
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