導入時のポイントとはしてから設計していくと効率的にできると思います。年齢基準の検討は、非常にむずかしいと岡本 思います。当社のキャリア研修で50歳と55歳を対象としているのは、60歳に向けて5年刻みで考える機会をつくりましょう、という発想からです。役職の立場の違いというところでは、少し工夫が必要と考えています。当社のキャリア研修は組合員層ではなく、経営管理職という管理職層に対して施策を打っていますが、経営管理職には一般の担当職務の担当課長と、ポストに就いている課長、部長、事業部長といて、50歳のときの研修は統一して実施し、55歳の研修は課長ポスト以下と部長以上を分けて実施しています。るポストオフがその後の大きな節目としてやってくることに対し、60歳以上の自分の姿がどう見えているのか、そのあたりの違いから、アプローチを少し変えていく必要があるだろうと考えてのことです。本日は、50代のキャリア研修やキャリア大木 支援についてお聞きしていますが、これから施策を導入しようと考えている企業の方々へ、個人的な意見でも構いませんので、アドバイスをお願いします。岡本 キャリア研修をしたら、何かがバラ色に変わるということはなく、やはりキャリアというのは考え続けていくことであり、社員自らがいろいろな刺激を受けながら展開していくということ、これらのことが重要だと思っています。その仕掛けをどうつくっていくか、という観点が大切なのだと思います。そう考えると、く、むしろ考え続ける、そのことに対してプッシュとドライブをかけていく施策を継続していくことが大事だと思っています。浅井 私は「浅井塾」という塾を開いていて、そのなかでよく話していることから三つほどお話ししたいと思います。一つめは、現状を把握することです。いま自分の会社で、どこに病巣があるのかといったことなどを把握する。施策を始める前に、ヒアリングをたくさんしていくということです。二つめは、施策をはじめていく順番です。例えば、私のところによく、「行動変容を起こすための面談テクニックを教えてください」といった相談や講演の依頼があるのですが、まずは、幹部にこういうことをやります、という鈴をつけ、そしてリソースも想定し整えたうえで、テクニックを聞きに来る、その順番をきちんとすることが重要です。人事こそがキャリア自律していなければなりません。じつは私は、昨年2カ月間の休暇を取り、自分でリスキルをしました。「リスキリングをしなさい」という立場ですから、自分がやっていなければ説得力がありませんから。人事がまず手本を示さないといけない、ということをお伝えしておきたいと思います。大木 ます。最後に、簡単なまとめをして終わりにしたいと思います。た。年齢を重ねると、プライベートの部分は個々人でかなり違ってきますし、本人が将来どのように働きたいかということも異なってきます。それをまず、会社がきちんと把握し、会社はその人に何を期待していくのかを伝える機会が必要であること。ミスマッチを起こしているようであれば、調整していくこと。キャリア研修や面談をすることにより、組織と個人がお互いハッピーになるように自律を進めていくことがとても大切であることが、本日のお話をうかがって痛感したことです。ありがとうございました。三つめは、施策を展開するのは人事ですから、岡本さん、浅井さん、ありがとうござい本日はお2人から重要なお話をうかがいまし2024.32055歳の研修を二つに分けているのは、いわゆ50歳、55歳という年齢がポイントなのではな50代のキャリア支援
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