エルダー2024年3月号
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トライアルとして開始基幹職たが、思い切って見直しを行い、若いときから高評価の人たちは高くなり、評価の低い人はそれなり、60歳以降も下がらないような制度を実現しました。これらの制度変更により、目標に掲げた65歳まで安心して変わらぬ働きができる環境を実現しました。また、当社には充実した年金制度があり、定年延長に対応して、65歳まで年金も退職金も積み上げて、それを65歳から支給することに変更しています。なお、賃金が変わらないことを実現したのは一般職のみで、基幹職には役職定年を維持し、年収改定をしています。ただし、従来は一律8割の年収改定でしたが、直近4回の業績評価、賞与査定の点数に応じて、改定率を見直し、非常に成績の良い者であれば減額改定なしの100%といった、成績に応じた年収改定を実施しています。が、60歳時点における役割に応じて7段階の設定としています。定年にはまだ舵は切っていません。65歳以降については、一般職・基幹職にかかわらず、会社が必要な人材を選び、選ばれた人材が働き方を選べるような再雇用制度を目ざして、まだ制度化はしていないのですが、2022年からトライアルとして実施しています。具体的には、65歳到達者が出るなか、引き続き雇用したいという部門のニーズがあり、採用したい者の仕事の価値をカテゴリー別で分けて、そのカテゴリーと働き方に応じた報酬を設定し、部門が本人に確認して了承した場合、働き方も含めて本人が選択できる、という仕組みです。現在は、制度化を見すえたトライアル、という形で実施しています。最後に、両立支援制度についてお話しいたします。65歳定年制の導入により、家族の介護や自身の疾病などの事情を抱える社員が、60歳定年制のときよりも増える可能性を考慮して、両立支援制度の充実を図っています。両立支援制度は、育児、介護、疾病治療の3本柱で取り組んでいますが、本日は介護、疾病治療についてご説明します。父母・配偶者の介護認定時に介護支援一時金を支給し、介護休職の場合には毎月一定額を支給するといった制度を整備しているほか、働き方については、短時間勤務や週3日勤務などを用意しています。また、疾病治療についても同様に、短時間や週3日勤務、治療をしながらの勤務を支援する制度を導入しています。う働き方で現場を成り立たせることは非常にむずかしいところで、ケース・バイ・ケースで対応できるところには対応する、というような形で進めています。ただ、当社は製造業ですので、実際にこうい2024.330(満60歳到達)(58歳到達)役職定年(転換)(転換)(転換)(満63歳到達)〈M群 : 実務・現場を牽引する人材〉〈J群 : 一人前を目指し、一人前として活躍する人材〉理 事基幹職1級基幹職2級基幹職3級基幹職4級出典:日本ガイシ株式会社理 事専任職1級専任職2級専任職3級専任職4級スタッフ/技能/事務スタッフ・係長スタッフ技能事務理事常勤専任職65歳定年を早くに実施した当社ですが、70歳〈S群 : 基幹職候補人材/高度なスペシャリスト人材〉登用60歳時点においても、年収改定は実施します58歳から専任職に変わり、そこで評価に応じた図表 日本ガイシの資格制度65歳超の再雇用、制度化を見すえてS1S2M1M2M3J1J2

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