エルダー2024年3月号
36/68

制度導入後に感じている課題とはして行われてきました。今野 ありがとうございます。続いて小林さん、評価制度についてお聞かせください。小林 当社も、60歳以降も、それ以前と同じ評価制度を継続しています。ただ、パフォーマンスの差は出てきていて、2019年の人事制度改定のときにやり残した課題として、評価制度に目標管理制度や成果主義などが入っていないということがあります。現在は役割行動評価という、要は「コンサルタントの仕事がこういうプロセスになっていて、それが普段の行動でできているか」を評価するような仕組みがメインになっているので、やはり成果評価のようなことを、現役の社員も含めて入れたほうがよいのではないか、ということが最近の課題として出てきています。今野 個人間のパフォーマンスの格差が大きくなるというのは、年齢が上がるほど大きくなる可能性が高いと思うのですが、どうでしょうか。そうですね。人によっては、65歳を過ぎ小林 てからパフォーマンスが上がらないということも出てきます。そのときに、仕事の成果できちんと評価をしていく仕組みは必要だろうと感じています。今野 ありがとうございます。杉浦さんの会社はいかがですか。杉浦 当社の場合は、職能資格制度で年齢にかかわらず、資格ごとに相対評価を行います。組合員は65歳まで、管理職は「58歳まで」と「58歳以降」とを分けたグループで相対評価をしています。各グループのなかで、個々人のパフォーマンスに応じて、半期ごとに評価しているという形になっています。制度としては年齢に関係なく、60歳以前も以後も同じ仕組みです。賃金制度を設計するうえで困ったこと今野 続いて賃金制度についてうかがいます。制度を設計するうえで困ったことや工夫したことについて教えてください。組合員については、65歳までは60歳到達杉浦 時点と同等の給与水準となっています。管理職は、役を降りてから58歳、60歳、63歳で年収の見直しを行っています。この管理職の年齢を基準にした見直しというところが課題になっていて、今後は年齢に関係なく、仕事の価値で判断するジョブ型に寄っていくような仕組みにして改定する準備をしています。小林 というところが、今後の課題になってくると思っています。制度設計をしたのは2019年ですが、当社は平均年収が割と高い業種ですので、賞与が仮にないとしても、それなりの賃金水準であると思っていました。しかし働いている側からすると、賞与の有無はモチベーションに影響します。給与水準全体を見直していく時期に来ているなか「賞与を復活したほうがよいのでは」といった意見も出てきており、制度改定が必要と思っているところです。賞与というのは、年次の評価を反映しやすいということがあると思っています。また、杉浦さんがお話しされたジョブ型ということも、管理職層にはそういった形がこれからの流れかなとは考えています。森田 年延長前からパフォーマンスに応じた処遇がある程度実現できたところがあり、定年延長やそ当社の場合、シニア社員には賞与がない成果に応じた処遇というところでは、やはり当社の場合、実力主義ということで、定2024.334TIS株式会社 人事本部人事部 人材戦略部セクションチーフ 森田喜子氏

元のページ  ../index.html#36

このブックを見る