再雇用制度や定年廃止ではなく定年延長をした理由とはの後の再雇用においても、処遇と役割に大きな差がないことが実現できています。今野 いい換えると、人事管理に年齢が入っていないということですよね。おっしゃる通りです。森田 今野 杉浦さんの会社のようなメーカーはおそらく、年齢と能力、役割が比例するような状況がずっと続いていて、例えば、年齢を基準にしたほうがみんなに説明力があるから、ということがあったのではないかと思います。一方で、森田さんの会社はおそらく、同じ年齢でもパフォーマンスがものすごく違う人がいたということがベースにあるのではないでしょうか。はい。同じ年代でもパフォーマンスの個森田 人差はありますね。今野 すると、それぞれの産業の歴史や特性といったものが、人事管理に反映されているように思います。一方で、杉浦さんの会社のようなメーカーでは、もう少し役割を重視する方向へ徐々に移っていくことも考えられているということですね。小林さんから、何かコメントはありませんか。小林 人事管理制度の見直しをしていくうえでは、60歳定年や65歳まで再雇用など、何かきっかけになる部分があって見直しをしていくのですが、70歳定年まで年齢に関係なく、何から何までパフォーマンス次第というと、それはむずかしいような気がします。また、役職定年制がよいのかどうかという議論はあるのですが、あるところで役職を離脱してもらわないと、後進がそのポストに就くことができず、若手の抜擢もできないわけですから、そのあたりは矛盾を抱えるのではないかと感じました。森田 世代交代の観点は重要だと思います。人材の育成も含めて、組織が活性化したり、後進が育っていったりということがあると思いますので、区切りをつけるというところはおっしゃる通りだと思います。杉浦 当社も、65歳まで年齢は関係ないという仕組みではあります。ただ、役職については、65歳で定年になってすぐ次の人が部長になるということはできないと思いますので、少なくとも役職に就ける年齢には、一定の制限を持とうと考えています。加えて、部長以上のポジションについては、毎年後任者管理ということで、後任者を必ず考えるような施策は取っています。今野 なっている視聴者の方から、質問をいただいています。みなさんの会社ではそれぞれ定年延長をされていますが、再雇用ではなく、なぜ定年延長をしたのでしょうか。ご回答、ご意見は3人からお聞きしたいと思います。小林さんからお願いします。小林 定年制を導入したのは、社員に対して、安心して働いてもらえる保証された雇用機会を70歳までにしたかった、という思いが大きかったと思います。背景には、経営トップの強い意志がありました。でも、そこが魅力に感じるという応募者の方もおり、人材確保の面でもメリットがあったと実感しています。森田 に不活性な状態が発生し課題となっていたことが背景にありました。定年延長ありきで考えたこのシンポジウムのライブ配信をご覧に再雇用や定年廃止ではなく、当社が70歳当社が定年延長を実施したのは、旧制度35特集生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム 〜開催レポートⅡ〜日本ガイシ株式会社 人材統括部 人事部長 杉浦由佳氏70歳定年にしてから、中途採用でも新卒採用エルダー
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