―貴社では、店舗で働くパートタイム社員の定年を65歳とし、その後はシニアパート社員として75歳まで勤務可能な制度を導入しています。制度導入の目的とはなんでしょうか。―実際に高齢で働くパートタイム社員の方は多いのですか。り、長く働くことが可能になりましたが、処遇制度はどのように変わったのですか。―75歳を雇用の上限年齢とする制度によ人材確保を目的に「シニアパート社員」制度を導入定年を65歳に引き上げ、75歳まで働ける環境を整備安田 一番はやはり人材の確保です。スーパーマーケット業界は、世の中の景気がよいときは人が採れず、景気が悪いときは人が採りやすいという波が必ずきますし、そのくり返しでした。そういった状況のなかでも安定的に人手を確保していかなければなりません。また、30代で入ったパートタイム社員が、働き続けて60歳、65歳を迎えることも多く、しかもふだんから体を動かす仕事なのでみな元気なのです。かつては正社員もパートタイム社員も全員が定年は60歳で、パートタイム社員については、定年以降は昇給のないアルバイト社員扱い(当時はシルバー社員という名称)となり労働時間も短くなるという働き方でした。さらに、時給が定年前と比較し、最大10%下がります。じつは私は労働組合の専従を9年、うち執行委員長を4年ほどやっていたのですが、パートタイム社員の組合加入の説明に回り意見交換するなかで、「私たちは元気で変わらず仕事をしているのに、60歳を過ぎたらどうして急に時給が下がるのか」という声が非常に多くありました。人手不足やパートタイム社員の平均年齢の上昇などをふまえ、2016(平成28)年にパートタイム社員の定年を65歳に延長し、65歳から75歳まで「シニアパート社員」として働くことができる制度を導入しました。安田 社員は約1万1000人です(2023〈令和5〉年3月31日時点)。パートタイム社員のうち、60〜65歳が約1500人、65歳超のシニアパート社員が約2000人。60歳以上のパートタイム社員が全体の32・5%を占めており、いわゆる学生アルバイトも含めた全社員ベー正社員は約2800人、パートタイムスでは21%で、約5分の1を占めるなど、多くのシニアが活躍しています。継続して長く勤務した後にシニアパート社員になる方も多いのですが、最近は「65歳を過ぎているのですが、働きたい」といって応募してくる方もいますし、る方もいます。また70歳を過ぎて働く人も多く、特に歴史の古い東京都世田谷区の店舗では、70歳以上の比率が高いところもあります。先日もある店長から「75歳になった人がいるが、まだまだ元気なので継続雇用したい」という相談を受けるなど、元気な高齢者が多い印象です。安田 ましたが、働き方はパートタイム社員もシニアパート社員も基本的には変わりません。週す。処遇については、以前は60歳を過ぎると時給が最大で10%減額されましたが、定年をなりました。ただやはり65歳を超えて、シニアパート社員になると、昇給がストップし、パートタイム社員の定年が65歳になり2024.32サミット株式会社 執行役員人事部マネジャー安田大輔さん65歳にしたことで継続的に昇給もする条件と35時間未満という契約時の労働時間は共通で 60歳以降でパートタイム社員として入社され
元のページ ../index.html#4