エルダー2024年3月号
43/68

世話係となり周りを活気づける「元気の源」岸■田■光■江■さん(62歳)は、若いころは保育士と■■■■が考えたメニューなので、美味しいだけではなく健康管理にもつながります。休憩室は畳敷きになっていてリラックスできます」と喜んでいました。「日ごろから、健康のために、施設の階段を昇り降りして足腰を鍛えたり、ストレッチをしたりしています。休みは週末があれば十分です。規則正しい生活を送るためにも、仕事を続けることが私の人生において大切だと思います」と働く意義について語ってくれました。して働いていましたが、40代で再就職を考え、「今後、親の介護があることを考えると、介護職がよいのでは」と同法人に入職しました。介護福祉士の資格は職場のサポートを得ながら取得。定年を超えたいまも変わらず週5日フルタイムで勤務しています。「利用者の在宅復帰を支援して目標が達成できたときや、本人や家族から感謝の言葉をかけてもらったときに、『この仕事に就いてよかった』と思います。仕事をする=自分自身が健康でいることです。そうでないと笑顔で仕事ができません」と明朗快活に話します。「岸田さんはいつも明るく楽しく仕事をされていて『職場の元気の源』です。経験が豊富ですから、お年寄りの体調変化や困りごと、細かいことまですぐに気づき、だれよりも早く行動されています。接遇もすばらしく、まさに介護士の鏡で若手のお手本です。若い外国人スタッフが現場に加わった際は、生活面のサポートも含めて、慣れない異国での暮らしや仕事をサポートしてくれました」(與座課長)「じっとしていられない性分でずっと動いています」と自らを語る岸田さんの息抜きは、夫婦で沖縄本島北部の山■原■へ出かけて自然に触れ、カフェ巡りをすること。休日にリフレッシュすることで、次の1週間の仕事もがんばれるそうです。今後の抱負についてたずねると、「2〜3年のうちにサービス管理責任者の資格を取得したいと考えています。大きな目標は、70歳まで笑顔で働ける職員になることです」と、具体的なキャリアプランを示してくれました。今回の取材を終え、水澤プランナーは、「福祉事業を長く運営されており、規模が大きく、施設として充実しています。高齢職員は自分の仕事ぶりを評価されていると感じていて、仕事に誇りを持って働いています。今後は職員各自ができること、できないことを把握し、より努力が必要なチャレンジ目標の設定や、業務において会社が求める基準の設定など、引き続き人事評価制度の整備を支援していきます」と具体的な方向性を示しました。定年後もしっかり目標を定め、公平かつ納得性がある評価を得られれば、高齢職員のモチベーション向上に直結します。高齢職員の存在が、現場に活気を生み出し、掲げる理想の福祉ケアの実現にまた一歩近づいていくはずです。(取材・西村玲)車椅子に乗る利用者を介助する岸田光江さん41與座勇人課長エルダー

元のページ  ../index.html#43

このブックを見る