エルダー2024年3月号
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―正社員の高齢者雇用制度はどうなっていますか。―シニアを含めて、社員全員が活き活きと働くために会社として心がけていることはなんでしょうか。―今後の課題とはなんですか。(インタビュー/溝上憲文、撮影/中岡泰博)社員の「生活の充実」をベースに働きがいのある職場を目ざすくするなど、お互いに歩み寄りながら身体能力に応じて仕事内容を決めていきます。もちろん店長も日ごろの仕事ぶりを見ていますが、仕事のできばえや仕事量の減少を感じる場合などでも「健康確認シート」はよいコミュニケーションツールになっています。じつは65歳までの雇用確保が努力義務安田 になったとき、社内で正社員も65歳まで定年延長するのか、しないのかについて議論がありました。しかし、「全員一律にしないでほしい」、「選択できるようにしてほしい」という声が多かったのです。その結果、60歳定年以降は65歳まで再雇用する制度を継続することにしました。また、正社員については1997年に勤続給の廃止や管理職への年俸制導入など、より能力主義を高めた人事制度を導入しました。また職能資格フレームに基づく下方への格付(いわゆる降格制度)も厳密に運用しており、役職定年もありません。60歳以降の嘱託社員になっても、実力がある人は継続して店長や副店長として活躍してもらっています。ただ、最近は定年を65歳に引き上げるべきではないかという議論も出始めています。65歳以降については、嘱託社員からシニアパート社員に移行できます。実際に60歳以降は正社員のほぼ100%が再雇用を希望し、65歳以降もシニアパート社員として働く人が増えています。店長だった人が鮮魚部門で魚をさばいていたり、あるいは商品出しの業務にたずさわっている人もいます。本部で商品部のマネジャー(いわゆる部長職)に就いていた人も店舗で働いていますが、役割が変わってもみな楽しそうに働いています。安田 を掲げてきましたが、あらためて2021年に社員ビジョンとして「『みんなでつくる幸せのかたち』〜それぞれのライフ・ワークバランスNo.1〜」を掲げました。個人の視点においては「ライフ」の充実がベースとなり、そのうえで働きがいのある「ワーク」の充実を目当社は昔から「人を大切にする経営」ざすというものです。組織風土や職場環境の整備という点では「サービス残業なし」、「差別なし(学歴・性別・社員区分など休の取得促進」、「正月3が日休業」などを実践しています。また、仕事と関係がないことに気を遣うことがないよう、中元・歳暮、年賀状など「付け届け不要」、権威主義的な雰囲気を排除するために、社長をはじめ全員が互いに「さん」づけで呼ぶようにしています。安田 制度のポリシーをしっかり定めて、サミットらしい人事制度に変えようという議論を始めています。正社員の定年延長だけではなく、シニアパート社員についても「75歳を過ぎても働きたい」というニーズも出てきています。社員一人ひとりと向きあいながら、一つの型にはめるのではなく、多様性を意識した制度に変えていくのが、今後の課題です。いま、正社員の再雇用を含めて全体の)」、「7連2024.34サミット株式会社 執行役員人事部マネジャー安田大輔さん

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