エルダー2024年3月号
9/68

「50歳からのキャリア開発・支援、リスキリング〜シニアの活躍に向けて」株式会社FeelWorks代表取締役、青山学院大学兼任講師 前ま川か孝た雄おークスフィールワわえか■■■■■■■7大切なのは自分自身の「働きがい」を見いだしていくこと令和5年度 生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム基調講演「50歳からの幸せなキャリア戦略」株式会社FeelWorks代表取締役の前川孝雄と申します。就職や転職、学び、キャリア支援をテーマとする媒体の編集長を経て、40歳のときに人材育成を生涯の仕事にしたいと思い、2008(平成20)年、当社を立ち上げて現在に至ります。人事制度や仕組みなどを整えていくことは、会社としてとても大事な取組みですが、私は、現場の上司が多様な部下を大切に育てて活かすことがとりわけ重要であると考え、「上司力®(★)研修」というプログラムをつくり、これまで16年にわたり400社以上の現場で、上司のみなさんを通じた人材育成を支援しています。そのなかで、特に問題意識を持って取り組んでいるのが、本日のテーマである「ミドル世代からのキャリア」についてです。40・50代は、企業において管理職になる人が多い世代ですが、部下の活躍支援を考えたとき、多くの管理職自身が、「自分のこれからの幸せなキャリアや人生について、忙しくて考える余裕がない」といった状況にあります。ではどうやってキャリアをつくっていけばよいのでしょうか。私もをどうしていけば幸せになれるのかを考えた末に、会社という枠を越えて、「自分自身のなかで働くことやキャリアのルールを変えていこう」という思いに至りました。突然ですが「伊■能■忠■敬■」とは何をした人物でしょうか。多くの人は「江戸時代後期に日本地図の原型をつくった人」とお答えになります。しかし、忠敬が生きていた時代の町の人たちの答えは、違っていたと思います。なぜなら彼は、現役時代は優秀なビジネスパーソンで、酒造りなどを中心とした多様な商いをして、現在の30億から35億円相当の資産を築き上げるほど成功していた人物なのです。そして、50歳で商売を次世代に引き継ぎ、そこから自分が本当に好きな天文学を学びはじめます。それも55歳でひと区切りさせ、そこから17年間、全国を歩いて地図づくりをします。どうしても解せない現象があると、いまでいう勉強会やセミナーなどに出かけては質問をしたそうです。そのなかで唯一納得できる答えをしてくれた学者、高■橋■至■時■に弟子入りしました。忠敬は当時50歳、江戸時代の50歳は現代では70歳ぐらいの感覚だと思います。一方の高橋至時は31歳。忠敬は、自分より二回りほども若い人すばらしいのは、大好きな天文学を学ぶなか、特集生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム 〜開催レポートⅡ〜★ 「上司力■」は株式会社FeelWorksの登録商標です。50代半ばを過ぎ、当事者としてこれからの人生エルダー10月27日開催

元のページ  ../index.html#9

このブックを見る