活力への経路についての検討が必要になります。この経路では、「休養モデル(杉田・片野モデル)」の七つのタイプ(方法)を用いることができます(図表3)。休養モデルは、〈1〉「生理的休養」、〈2〉「心理的休養」、〈3〉「社会的休養」の三つに分類され、その先で合わせて七つのタイプに分類されます。まず〈1〉「生理的休養」には、[1]運動タイプ(激しい運動ではなく、疲労をともなわない軽いジョギングやウォーキング、体操などで血液循環をうながし身体の老廃物除去や細胞への酸素の輸送による回復を目的とするもの)、[2]休息タイプ(身体の動きを止め安静にすることをさします。睡眠はその代表です。一般的に私たちが抱く休養のイメージそのもの)、[3]栄養タイプ(消化器系からのアプローチで休養回復をうながします。腹八分目や断食による消化器の休息、日内リズムを意識した食事のタイミング、腸内環境や代謝酵素を意識した食事など)の三つのタイプがあります。〈2〉「心理的休養」には、[4]娯楽タイプ(余暇に好きなことで楽しむ。ゲームや各種鑑賞など。ただし、依存しすぎないように注意が必要)、[5]親交タイプ(家族や友人など人との交流、ペットなどの動物や自然とのふれあいなど。これにより癒され安らぎが生まれる)、[6]造形・想像タイプ(日曜大工や絵を描く、料理をする、空想・瞑想するなど。これはストレスを一時的にでも忘れ、何かに没頭することで新たな活力を産み出す)の三つがあります。タイプ(外部環境の変化がない日常では、慣れや飽きから退屈さが生まれ徐々に活力が失われます。そのような際には転換が必要。旅行による転換は、すぐに思い浮かびますが、それ以外に、身の回りの整理整頓や部屋の模様替え、また衣替えも身近な転換)があります。化し、さらに今後もこの変化はより加速し、それにともなったストレスも増大することが容易に想像されます。いままで経験したことのないストレスに対して、これまで通りの方法では早晩対処しきれなくなります。ここでご紹介した休養モデルをヒントに、一人ひとりが勤務間インターバルの最適化モデルを検討し、パフォーマンスの向上を目ざしてみてください。そして〈3〉「社会的休養」には、[7]転換私たちの生活環境は過去と比較して大きく変休 養※ 筆者作成※ 筆者作成10図表2 休養(リジェネレーション)サイクル活動能力の増進図表3 休養モデル(杉田・片野モデル)活動能力の減退運動タイプ休息タイプ栄養タイプ娯楽タイプ親交タイプ造形・想像タイプ転換タイプリセット生理的休養心理的休養社会的休養活力休養活動疲労
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