感じるようになります。ただそれでも多くの人は責任感や使命感で仕事をがんばってこなそうとします。疲労の第3段階は、いわゆるうつ状態です。この状態ではもう思考も回らず体調も崩れてしまうので、なかなか仕事などの日常生活が送れなくなります。第2・3段階に移行するにつれ、心には、次のような変化が起こります。まず、疲れ果てているので気力全般がなくなります。楽しいという感覚が薄くなり、何をするにしても非常に大きな負担(いつもより2〜3倍の負担感)を感じてしまいます。次に、弱っている自分を守ろうとしてやたらに被害妄想的な受けとり方をしたり、将来に対して過剰に不安なイメージを持つようになります。さらに、自分に対するダメ出しが多くなってきます。自分を責め、自信を失ってしまう状態です。こうなると人様の前に出ることが、とてもしんどく、それを避けるようになってきます。これがいわゆる「心が疲れた状態」だと思ってください。こうした状態では、充実したエルダー世代を過ごすことができなくなってしまいます。それを避けるには、心が疲れ切る第3段階の一歩手前、第2段階で、自分の心が疲れていることに気づき、適切な対応、つまり休養をとって、第1段階に戻すことがとても重要になってきます。■疲労はエネルギーの消耗と補給のバランスてきましたが、その実態はまだ医学的には解明しきれていません。ただ、いえるのは、疲労は「感じにくい」ということです。まさに気持ちなどで疲労を一時的に感じなくすることができてしまうのです。だからこそ第2段階になっていてもまだ日常生活を続けられることが多いのです。補給されるエネルギーのバランスで決まると考えてみてください。消耗した分をしっかりと睡眠や食事で補給できない状態が続くと、どんどん疲労がたまってしまうのです。ると、同じことをしても使用するエネルギーが大きくなり、またエネルギーの補給力(回復力)も弱くなってしまうのです。く疲れるし、疲れが長引くようになってくるのです。先の3段階モデルでいえば、元気なときでも、第2段階の状態にいると考えても近年、疲労はたいへん注目されるようになっそこで、疲労は消耗したエネルギーとその後そしてこれは仕方のないことですが、歳をとですからどうしても若い人と比べると、早※ 筆者作成SSS12図表1 蓄積疲労の3段階(1倍~3倍モード)いつものことが負担に・傷つきやすい・イライラ不眠、食欲不振など体の不調が出始める(表面は飾れる)うつ状態・自責・不安・無力・負担あるショック集中・楽しめる緊張・対応回避・記憶化1段階疲労(通常疲労)1倍モード2段階疲労2倍モード3段階疲労3倍モード
元のページ ../index.html#14