1睡眠休は養、と健し康をて維の持睡す眠るのう重え要で性重要な休養行動です。われわれは毎日の生活を送るなかで、日中の目覚めている間に食事の摂取などの生命維持に必要な行動とともに、家庭・社会生活を維持するため、家事や育児、労働などさまざまな肉体的・頭脳的行動を日々とっています。これらは、疲労と呼ばれる身体組織の微小損傷をともない、ときによって疾病と呼ばれる大損傷を引き起こします。睡眠中にはこうしたさまざまなレベルの身体損傷を回復するための機能が働くことがわかっています。このため、睡眠は生命維持に不可欠で重要な休養行動なのです。十分な休養に値する睡眠がとれているかどうかは、睡眠の量(睡眠時間)と質(睡眠休養感)を目安に測ることができます。(1)睡眠時間と健康リスク1950年代以降、睡眠時間と健康リスクの関連について、数多くの調査が行われており、高血圧、冠動脈性心疾患、脳卒中、2型糖尿病、うつ病などの疾患の発症リスクや総死亡イベント発生リスクとの関連が検討されていますが、いずれもほぼ一様に、睡眠時間は1日7時間前後より長くても短くてもこれらのリスクを上げる関係が示されています(図表1)。これは、おおよそ7時間程度が健康を維持するうえで確保すべき睡眠時間であることを示しています。しかし、短時間睡眠が健康を害することは、必要な休養量が担保されないことから理解できますが、長時間の睡眠時間がなぜ健康を害する原因となるのかは説明がつきません。※ 筆者作成相対危険度2睡健眠康時リ間ス・ク床の上関時係間と働く高齢者の〝体の休養〟を考える栗く山や健け一い高1低2りまんち国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所睡眠・覚醒障害研究部部長15エルダー1.51.41.31.21.10.92時間3時間4時間5時間6時間7時間8時間9時間10時間11時間睡眠時間特集心と体の「休養」を考える図表1 睡眠時間と死亡リスク解 説
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