エルダー2024年4月号
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介護業界で働く職員数は、2019(令和元)年時点で約211万人だが、2040年には約280万人が必要と推計されており(厚生労働省「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」)、多様な人材の確保・育成の観点から高齢者雇用が推進されている。また、「人生100年時代」を迎え、「働けるうちは働きたい」と考える人が増加している背景をふまえ、在宅介護サービス業の発展に向けて、高齢者の働き手を積極的に受け入れていくことが重要になっている。本手引きの作成にあたって「60歳以上の職員の雇用に関するアンケート調査」、「ヒアリング調査」を実施したところ、企業ならびに働き手である高齢者それぞれの課題が浮き彫りになった。従来の仕組みのまま高齢者の雇用を推進すると、高齢者が希望する働き方と合わない、条件面での整合性がとれない事態が発生する恐れがあり、企業は高齢者が定着して働き続け、活躍してもらうために、多様な人材が働きやすい制度や仕組みを整える必要がある。一方で、いま在職する職員も高齢になると体力面で変化が生じることに鑑み、従来以上に、企業は職員の安全や健康などを守る取組みを重要視しなくてはならない。また、近年急速に進められているICT機器の導入・活用への対応についても、高齢者雇用の推進にかかわる大きなテーマの一つと考えられている。そこで本手引きでは、在宅介護サービス業における高齢の介護職員・ケアマネジャーを中心に雇用を推進するうえで大切なポイントをまとめ、事例、関連情報を記している。「第Ⅰ章 者雇用を推進している背景」は、国の高齢化した状況をふまえ、在宅介護サービス業における高齢者雇用の現状と課題について解説している。在宅介護サービス業において高齢「第Ⅱ章 者雇用の推進を成功させる3つのポイント」では、調査結果から浮き彫りになった高齢職員の多様なニーズ、および不安に対応し、高齢者雇用の推進を成功させる仕組みづくりのために、次の三つにポイントを整理して解説している。「POINT①高齢の職員も働きやすい雇用管理の仕組みづくり」、「POINT②安全・健康対策」、「POINT③ICT機器を職場で定着させる工夫」。各ポイントにかかわる企業事例を囲み記事として紹介し、簡潔な箇条書きの構成は、項目に目が行きやすく読みやすいものとなっている。「第Ⅲ章 例の紹介」では、大手事業者から中規模事業者まで、高齢者雇用において先進的に取り組む介護事業者6件の事例を紹介。それぞれ特徴ある取組みが明らかになっている。「第Ⅳ章 策に役立つ情報を掲載するウェブサイトなどをピックアップして紹介している。在宅介護サービス業における高齢高齢者雇用を推進している企業事参考資料」では、高齢者雇用の対一般社団法人日本在宅介護協会3 ―――P.p産業別高齢者雇用推進ガイドライン高齢者も働きやすい介護事業所に向けて〜在宅介護サービス業高齢者雇用の手引き〜所〒1600022 東京都新宿区新宿11814廣田ビル3F住 H  https://zaitaku-kyogr.j27エルダー「産業別高齢者雇用推進ガイドライン」のご紹介特別企画

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