一般社団法人全国警備業協会が、2010(平成22)年に高齢者雇用推進ガイドラインを策定してから十余年が経過した。その間、社会情勢は大きく変化し、高齢化がいっそう進展していることから、あらためて実態把握を行い、より現場に即した方策をガイドラインとして取りまとめた。警備業は従来から高齢者の雇用割合が高い産業であり、約2人に1人が60歳以上(46・1%)、約5人に1人が70歳以上(19・2%)である。このため、本ガイドラインは「60歳以降も働きたい人たちが長く活躍できる職場にする」ことを目ざした内容となっている。「Ⅰ警備業における高齢者の活躍に向けた考え方」では、同業界において、さらなる高齢者の活躍が求められる背景や考え方などを整理している。「Ⅱ警備業における高齢者の活躍を推進するための指針」では、業界各社が高齢者の活躍を推進しながら競争力を高めるために取り組むべき課題や方向性を6つの指針にまとめて提示し、それぞれ関連するアンケート調査やヒアリング調査、他業種の取組み事例をあわせて図表で解説している。警備業界に特化したチェックポイントや方向性の提示は示唆に富む。「指針1 のすり合わせ」では、高齢者とのコミュニケーションの取り方、面談のポイントがわかる。「指針2 では、職場でのコミュニケーションを通じた高齢者の健康管理のポイントを紹介している。「指針3 環境の整備」では、業務の性質上、発生が懸念される労働災害について、データをもとに課題を抽出しながらていねいに対応策を示している。災害発生事例とその対策がひと目でわかる一覧表を掲載するほか、労働災害対応の方向性として、安全衛生教育マニュアルの活用、写真や映高齢者ニーズの把握と企業の意向高齢者を意識した健康管理の強化」高齢者が安全かつ安心して働ける像を使った安全教育、ヒヤリハット情報の社内での共有・活用などについて詳しく解説。労働災害防止対策の一助となる内容となっている。「指針4 警備員のためのスキルマップ・シートの作成と活用のメリットを紹介。図表「警備員のためのスキルマップ・シート(例)」は使い方の説明つきであり、面談にそのまま活用することができる。「指針5 者の知識・経験を若手や中堅警備員へ継承するための事例を紹介している。「指針6 場環境の整備」では、警備業のイメージアップを含め、社内コミュニケーション(風土)の改善、職員の健康管理の重視など、警備員の働きやすさの向上を図るとともに業界の特徴と魅力をアピールする方向性を示している。「Ⅲて相談できる支援機関の紹介や高齢者雇用に関する制度などがまとめられており、取組みの策定に役立つ内容となっている。高齢者のモチベーション向上」では、高齢者の強みの周知」では、高齢将来にわたり高齢者が活躍する職参考資料」は、運用上の課題解決に向け一般社団法人全国警備業協会産業別高齢者雇用推進ガイドライン警備業高齢者の活躍に向けたガイドライン〜社会の安全・安心を支えるため、高齢者の活躍に向けて〜所〒1630632 5― ―――P.j.――p東京都新宿区西新宿1―251新宿センタービル32F5821 6074住 TEL033342FAX033342H https://wwwassaor.j29エルダー「産業別高齢者雇用推進ガイドライン」のご紹介特別企画
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