年1回の全社員対象研修を通じデジタル技術や新しいスキルを習得る人も多く、長い人は7年、短い人でも2年です。じつは、直接販売に切り替えたとき、販売員を募集してもなかなか人が集まりませんでした。そこで私が昔、教師をやっていたこともあり、リタイアした教員仲間に声をかけたところ手伝ってくれることになり、その後も仲間が別の元教員を誘ってくれ、いまは名古屋の販売員のほとんどが元教員です。元教員ですからランドセルを買いにくる子どもや父母との接し方は上手ですし、意欲も高く、本当に助かっています。また彼女たちも「仕事が楽しい」といってくれます。ランドセルを買うのは、新たに始まる6年間の節目のおめでたいイベントでもあります。買ってもらう子どももうれしいですし、親御さまやおじいさま、おばあさまもみな笑顔になります。特に祖父母にとっては一生に一つの孫への大事な贈り物ですから、よいものを買ってあげたいと値段に関係なく、「このなかで一番よいものはどれでしょう」と聞いてきます。そんな祖父母の気持ちも同世代の販売員たちはよくわかりますし、寄り添って販売できるので、楽しいといって、意欲的に働いてもらっています。林 販売ではパソコンに触ってもらう必要があります。以前は小さなタブレット端末を使っていましたが、いまは画面の大きい端末を店頭に並べて注文を受けつけています。いまの学校の先生はパソコンの操作には長けていますが、その前の世代はワープロ専用機ですから新しくパソコンの操作方法を覚えてもらう必要があります。そのために毎年2月に東京・大阪の販売員を含めて全社員が名古屋に集まり、1日研修を実施しています。ンドセルの知識の習得のほか、決済方法の学習も行います。いまは現金やクレジットカード以外に、スマートフォンをかざすだけでできるなどさまざまな決済方法があります。それからSNSなどへの投稿のためのお客さまの写真の撮り方など、今年の販売戦略について営業企画が作成した販売マニュアルの習得も必要になりますし、全部覚えるのもなかなかたいへんです。林 研修は、パソコンの操作方法や新商品のラみなさん熱心にメモを取りながら学んで―そのほか、高齢スタッフに意欲的に働いてもらうために、働く環境やスキルの向上などで工夫している点は何かありますか。ど、まさにリスキリング(学び直し)ですね。―デジタル技術や新しいスキルの習得な3エルダー
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