エルダー2024年4月号
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という人、転職に「不安を感じている」という人もいるので、当社は希望条件などをしっかり聞いたうえで、力になることができるということを伝え、ていねいに対応するよう心がけています。もともと営業の仕事をしたいと考えていたのですが、就職活動で出会ったキャリアアドバイザーに親身になってもらい、こういう仕事をしたらおもしろいかなと思ったのがきっかけです。大学主催の就活イベントに参加したとき、当時の人事部長に声をかけられたのですが、興味を持っていた人材業界だったことに加え、私が祖父母と一緒に暮らしていたので、祖父母世代の人たちの転職を支援できることに魅力を感じました。私も転職活動をしていたときに、転職エージェントの人と話をしていて、「この人、すごい!」と思ったのが、人材業界に入るきっかけになっています。実家が高齢者施設の多い地域にあったので、高齢者とのかかわりは子どものころからとても多く、小学生のときは、道端で高齢の女性を手助けして、表彰されたこともありました。シニアにとっての転職は、若い世代以上に、「人生の一大事」になります。30年、40年と積んできたキャリアを変えて転職することは、人生の大きなターニングポイント。そこを支援できるのが、私たちの仕事の醍醐味であり、勉強にもなるところですね。私が担当した最初の成功事例で、半の男性のケースです。医療事務の管理職での松澤 ―これまでの転職支援で、印象に残っている事例などはありますか。松澤 転職でしたが、本人が希望する年収では、一般的な相場から見て、むずかしい状況でした。しかし、面接をしたいという医療法人が一つあり、案内したところ、面接を受けた男性からは「楽しかった」という報告があったのです。じつは、男性と病院の院長の母校が同じで、話に花が咲いたそうです。それで「すぐに来てほしい」という話になり、年収も希望額の約1・5倍で内定が出ました。男性の経歴がマッチしたということでもありますが、こういうことが起こり得るのだと、この仕事はおもしろいなと、その後のやりがいにもつながりました。一度、会ってみてください」ということです。年齢がすべてではありません。紙一枚の履歴書でわかることには、限度があると思います。を感じる人もいるかもしれませんが、不安定要素があるのは、私たちのような若い世代も同じです。シニアの人たちのなかには、新しい環境に慣れるため、たいへんな努力をしている人、熱意にあふれる人も多いので、採用しなければもったいないと感じます。私も、シニアの求職者に対する固定概念を打破できるような仕事をしていきたいと思っています。(取材・沼野容子)企業の人事担当者に伝えたいのは、「ぜひシニアを受け入れるということに、不安―シニアジョブで仕事をするようになったきっかけを教えてください。鈴浦 ―シニアの転職支援を通じ、「生涯現役」を支える立場から、企業の経営者や人事担当者にメッセージをお願いします。松澤 鈴浦 シニア求職者と「ぜひ一度、会ってみて」「採用しないのは、もったいない」株式会社シニアジョブ キャリアアドバイザーチーム マネージャー 松澤裕介さん(左)カスタマーサポートチーム 鈴浦拓巳さん(右)51エルダー前60代生涯現役生涯現役を支える支えるお仕事お仕事

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