1第一労次働農環業境革の命変と第化一次産業革命において、人力でなされてきた作業を家畜や蒸気機関が取って代わることで肉体的負担の軽減がもたらされました。その後、第二次産業革命におけるガソリンエンジンの発明、動力源の小型化により作業現場での機械駆動が実現し、重工業の現場における肉体労働の負担軽減がより進みました。さらにガソリンエンジンを用いた自動車や特殊車両、飛行機が発達し、それまでになかった運輸産業の発展により運転業務が生まれ、また、電動モーターで駆動する製品の組立てラインでは勤労者が機械のペースで働くといったくり返しの単純労働をもたらしました。工場では電灯が灯りラインが止まることなく稼働するため、長時間労働や昼夜連続操業なども始まりました。第三次産業革命では、コンピュータの小型化・高性能化が進み、操作する知識と技術が必要となりました。多分野にコンピュータが導入され、計算・書類作成・作図などの事務作業や頭脳労働が代替され、ソフトウェアのプログラム開発など新たな頭脳労働が生じ、勤労者の精神・頭脳への負担が増えました。そして、IT化の波を後押しした要因として、「人口動態」という社会的要因があります。企業では、生産年齢人口の低下や高齢化が進み、労働力が減少していくなかで、既存の従業員によって増加する需要を処理する必要に迫られてきました。そこで、自動化やデジタル化により生産効率を高めれば、高齢化社会の進行による労働力低下という変化を理論的には十分補うことができると考え、高齢化する従業員たちに文書化、電子メール、プレゼンテーション、ソーシャルメディアなどのデジタル化分野の作業に適応するように求めてきました。しかし、このことはデジタル機器などのIT化に対応できるという前提なくしては、生産性向上が期待できないことを意味しています。ることができない文明の発達過程で、科学技術のもたらす新たな負担を私たちは解消できずにストレス要因として受け止めてきました。第四次産業革命は現在進行中であり、より大きな社会変革が起こりつつあります。社会の変容にともなった勤労者へのストレスの増加への対策として、休養回復(リカバリ︱)を取り入れた働き方と休み方の好循環づくりが求められています。こうしてデジタルテクノロジーを避けて通現代の働く人たちと“休養”の関係一般社団法人日本リカバリー協会代表理事、一般社団法人日本未病総合研究所公認講師、片か野の秀ひ樹き株式会社ベネクス執行役員、一般財団法人博慈会老人病研究所研究員、博士(医学) 7たでエルダー特集心と体の「休養」を考える総論
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