エルダー2024年5月号
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(★)を紹介します。要です。・中央労働災害防止協会「転倒等リスク評価セルフチェック票」中央労働災害防止協会では「転倒等リスク評価セルフチェック票」を開発しています。これは、転倒等リスクに対する客観評価(体力チェック)と主観評価(質問票)を比べることにより、転倒等リスクの危険度を測るものです。体力が衰えているにもかかわらず、若い者には負けないと無理をする人は転倒等リスクが高くなりますが、このような人を見出し、転倒等リスクの高さに気づかせ、自覚をうながし慎重な行動に努めさせるものです。体力チェックには、2ステップテスト(歩行能力・筋力)、座位ステッピングテスト(敏捷性)、ファンクショナルリーチ(動的バランス)、閉眼片足立ちテスト(静的バランス)、開眼片足立ちテスト(静的バランス)があります。■転倒予防体操事例転倒災害は、身体のバランスの悪さ、脚筋力の低下、股関節の柔軟性の低下などが関係しますが、それらを改善するため、現在、さまざまな転倒予防体操が開発されています。ここでは、JFEスチール株式会社の「アクティブ体操Ⓡ」JFEスチール株式会社西日本製鉄所では、高齢になっても安全で健康に働くために必要な体力を「安全体力Ⓡ」(★)と名づけ、「安全体力」機能テスト(測定ツール)を開発しました。転倒、腰痛、ハンドリングミスの三つのリスクを七つのテストでチェックし5段階で評価。評価1、2になった「安全体力」の低い者には自覚をうながし、改善意欲を高めさせています。2014年、40歳以上の健診対象者(1703人)に転倒の有無をアンケート調査した結果、転倒経験者(159人)は、非経験者より転倒リスクのテスト3項目の評価2以下の割合が高い結果となりました。この結果を基に「安全体力」を一定の水準に維持するため、毎日実施する二つの職場体操を開発しました。・「アクティブ体操」PART1(筋骨格系疾患対策)※1腰痛などの筋骨格系疾患対策用の体操(10種目)です。種目は、作業中に負担になりやすい部位を対象に構成されています。・「アクティブ体操」PART2(転倒予防対策)※2高齢者に多い転倒しやすい姿勢「背中が丸く骨盤が後傾し、股関節が開かず足首が固い」の改善を目的とした運動で構成されています(10種目)。これらの体操を継続的に実施することにより、筋骨格系疾患による休業日数が減少し、50歳以上の転倒災害発生件数も減少傾向にあることが発表されています。■高齢者向け安全対策製品事例とらえ︑民間企業では︑新しい製品が次々と開発されています︒ここでは︑マイクロストーン社が開発した︑歩行時の身体を計測し転倒につながる身体のゆがみを見つけ︑身体トレーニングによりゆがみを是正し転倒を予防する製品﹁THE ルブレインケア社が開発した︑仕事の合間にウェブ上で簡単なゲームを行うことにより注意力などの認知機能の低下を測り気づきをうながす製品﹁CogEvo ®﹂︵★︶を紹介します︒・転倒リスク歩行健診システム「THEING」は、背中と腰の2カ所にモーションセンサーがついたハーネスを着用し、10mほどの歩行を分析することにより、歩き方、身体の使い方の個性(クセ)を評価し、改善策を提示する機器です。ビリテーションや人間ドックの現場で理学療法士により10年来活用されてきており、そこでつちかわれた歩行改善のノウハウ(歩く際の注意点やおすすめの体操)が歩行特徴に応じて提示高齢者の労働災害防止をビジネスチャンスとWALKING LKING」(図表2)転倒リスク歩行健診システム「THEWALKTHEWALKINGの基本技術は、リハ®﹂︵★︶︑トータWA9★「アクティブ体操Ⓡ」、「安全体力Ⓡ」は JFE スチール株式会社の登録商標です★「THE WALKING Ⓡ」はマイクロストーン株式会社の登録商標です★「CogEvo Ⓡ」は株式会社トータルブレインケアの登録商標です※1 https://www.youtube.com/watch?v=KPxt7vyQ6Zo※2 https://www.youtube.com/watch?v=LEr6r1Mxgu8

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