Danger)足を軸足にあててはダメです。手が離れたり、軸足が動いたりしたらアウトです。はじめは、開眼で15秒間実施し、次に目をつぶって実施します。最初に実施してほしいテストがこの平衡性のテスト(閉眼片足立ち)です。開眼のテストも実施する理由は、目に頼っていることに気づかせるためです。加齢にともない、開眼片足立ちはできるのに目を閉じたとたんにふらつきが大きくなるのです。暗い作業場では、ふらつきやすいことが想像できると思います。20代、30代、すが、Dとなった方は能力改善トレーニングが必要です。平衡性、敏捷性、柔軟性、そして筋力など種々の体力がありますが、20歳を1とした場合、加齢とともにそれぞれ低下し、もっとも低下するのが平衡性で、もっとも気づきにくいようです。それまでできていたことが、いつの間にかできなくなっていることに驚く人も少なくないようです。平衡性が不良な人は、たいてい身体の重心が後方(踵荷重)となっており、お腹に力が入っていません。平衡性の改善のために、毎日、閉眼片足立ちを実施させましょう。その際、重心をつま先寄りにして、下腹に力を入れて、延べ60秒間の閉眼片足立ちを継続していれば改善します。と分けていま平衡性を高めるためには身体の重心をコントロールすることが必要です。また体の中は液体のようなものです。液体は重心が見つけにくいので、圧力をかけて体を安定させることが必要です。圧力をかけるには腹筋ですね。腹筋には腹直筋、腹斜筋、腹横筋があります。特に腹圧を高める腹横筋が重要です。平衡性の不良な人、腰痛を訴える人の腹横筋には、ほぼ力が入っていません。下腹に軽く力を入れ続けることを励行することで腰が安定して平衡性が向上します。■敏捷性/座位ステッピングテスト(図表3)け、「スタート」の合図で足を開いて線の外側の床につけて戻します。20秒後の「ストップ」の合図までにできるだけ早くくり返し、できた回数をカウントします。「ストップ」の合図の際に足が動いていたらそれもカウントしましょう。この敏捷性も加齢にともない低下します。つまずいた際に足が出れば転倒しませんが、遅れると転倒の可能性が高くなります。敏捷性の改善のために、始業時体操を励行しましょう。リズミカルな体操が筋肉を刺激して敏捷性が向上します。ラジオ体操でも構いませんが転倒や腰痛予防に特化させた転倒腰痛予防「いきいき健康体操」※がおすすめです。 ■柔軟性/立位体前屈テスト(図表4)伸やアキレス腱のストレッチをしてから実施しましょう。スポーツや仕事で筋肉を使えば、その筋肉は必ず短縮します。筋肉が短縮すれば筋力は低下しますし、硬い筋肉の繊維に挟まれた毛細血管の流れも低下します。つまり疲労物質が取り除けないのですが、多くの人はそのことに気づかず作業を実施しています。この場合は仕事の終わりや帰宅後にストレッチすることをすすめましょう。「痛くない範囲で、反動をつ肩幅ほどの線の内側に両足をそろえて床につテスト時におけるけがの防止のため、膝の屈(13特集シニアの活き活き職場づくりー安全・健康確保を進めようー図表2 平衡性/閉眼片足立ちテスト① 目を閉じて片足立ちをして、何秒間保持できるかを測定する ・手は腰にあてる ・両脚はくっつけない ・ 手が離れたり、足が動いたら終了②できた秒数を記録する平衡性の評価20代120秒〜30代80〜119秒40代60〜79秒50代25〜59秒60代12〜24秒Dエルダー※ https://www.youtube.com/watch?v=9jCi6oXS8IY※ 首都大学東京体力標準値研究会『新・日本の体力標準値Ⅱ』(不昧堂出版/2007年)を基に筆者作成〜11秒40代、50代、60代、D
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