3 開眼片足立ちテストと5回立ち上がりテスト開眼片足立ちテストは、立って目を開けた状態で片足を前方に5センチほど上げ、何秒キープできるかを計測する。5回立ち上がりテストは、いすに座り、胸の前で両手を交差させた状態で立ち上がる動作を5回くり返し、動作にかかった時間を測る。「転倒リスクがなく働けるかどうかがテストの目的です。動作が簡単なことに加え、リモート面談でも測定できること、狭いスペースでも動作可能ということで、この二つのテストに絞りました。テストした人のなかには、体幹のバランスが悪く、片足立ちができない人もいます。そういう人には下半身の筋肉を鍛えるスクワットをすすめたり、1日に必要な歩数の目安などのアドバイスを行います。バランスが悪いと階段の昇降の際とても不安定になり、転倒リスクが高まります。特に店舗の階段は狭く危険なので、注意が必要だと説明しています」(山下さん)4 現場の第三者に聞き取りを行い、客観的な意見を面談に活かす「60歳を超えてから何か変化はないか」、「動作が遅くなっていないか」など、気になるところを、人事担当者が現場の従業員から聞き取りを行い「シニアの健康チェック」につなげている。月一回のペースで現場の声を拾い環境改善と労働災害の対策を練る立つそうだ。なお、特に疾病リスクが高い社員に対しては、当人に重大性をしっかり伝えており、再受診率は100%に至っている。2 自覚症状や業務上困っている点をヒアリング体調の自覚症状について聞き取りを行っている。「腕が痛い、肩が痛い、関節が痛いと訴える方は少なくありません。受診が必要なものと判断すれば受診勧奨を行います。特に、業務に支障があるような場合、例えば、調理担当の方が『腕が上がらない』など、具体的に困っているような事象がある場合は、人事担当とも面談をしてもらい、配置換えなどの対応も行います」(山下さん)「『いままで通り変わりはない』という声がほとんどですが、『最近腰が痛そう』、『動作が少し遅くなった気がする』という声をもらうこともあります」(武川さん)に話す。「生活習慣の積重ねが、健康診断の数値などに表れていると思われますが、強制的な指導は行っていません。その方に合わせて『できるところから始めましょう』と話をしています」ながり、健康意識の向上に導いている。に話す。「現在のように、細かな取組みをしてなかったころは、年間70〜80件の労働災害がありました。コロナ禍という企業として未曾有の危機において、完全に店舗の営業を休止した際、高齢社員の健康チェックから、社員教育なども含め、既存のシステムの抜本的な見直しを行いました。コロナ禍の自粛期間を経て業績は復調していますが、コロナ禍以前と比較すると労働災害の発生件数は1/3に減少しており、取組みの面談のポイントについて山下さんは次のよう個人に合わせた保健指導が面談者の安心につ蓮見副部長は取組みの成果について次のよう21特集シニアの活き活き職場づくりー安全・健康確保を進めようーエルダー5回立ち上がりテスト。転倒防止リスクを測る
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