エルダー2024年5月号
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女性だけでなく、男性にもある更年期働く男性と更年期不調更年期は、人生後半への準備期間「仕事に影響があった」と回答しています(図表)。「仕事の能率が目に見えて低下した」、「仕事を辞めることを考えた」、「仕事を続ける自信がなくなった」など、更年期不調の仕事への影響は深刻な様子がうかがえます。男性更年期については、まだ知識や理解も人それぞれでまったく知らない人もいるうえに、男性の「人に弱みを見せたくない」意識も加わり、だれかに気軽に相談しにくい状況ともいえます。そのため、更年期不調を抱える男性は、周囲に不調への理解や協力を望むものの、相談相手は圧倒的に配偶者・パートナーに集中していました。長寿化や働き方の変化で、60歳以降の暮らし方や働き方の選択肢が増えました。人生100年時代の折り返しの時期に訪れる更年期は、体と心の変化に向き合いつつ、仕事や趣味、家族とどう過ごすかなど、この先の人生に向けて準備するよい機会です。そのためにも、ま花王株式会社コンシューマーインテリジェンス室働く男性と更年期「更年期」の不調は女性特有と思われがちですが、男性にもあります。原因は加齢による男性ホルモン(テストステロン)の急激な減少で、加齢以外にも過度なストレスや運動不足、大量飲酒などの影響を受けやすく、40代以降はだれにでも起こりうる可能性があります。女性は閉経前後の一定の時期が過ぎれば落ち着きますが、男性は適切な対処をしないと長引く場合もあります。男性更年期の症状は多様で「筋力の低下や痛み」、「不眠」、「疲労感」、「気力の減退」、「イライラや憂鬱な気分」など、体と心の両面にあらわれます。加齢変化と思いがちな症状も多く、自分では更年期を疑いにくいことや、受診先が泌尿器科であることも、あまり知られていません。更年期症状の自覚のある有職男性の半数は、ず男性自身が男性更年期について正しく知ること。そして、男女問わず更年期世代を支えられるように、社会全体の理解が進むことも必要と考えます。27特集シニアの活き活き職場づくりー安全・健康確保を進めようー仕事に影響がなかった50%更年期症状の自覚のある有職男性359人「仕事に影響があった」と回答した人のうち40%32%26%24%22%18%18%仕事に50%影響があった仕事の能率が目に見えて低下した仕事を辞めることを考えた仕事を続ける自信がなくなった時々仕事を休むことがあった昇格をあきらめた仕事上の人間関係が悪くなった働く時間や残業量が減った(更年期不調が仕事に影響があった男性179人)エルダー図表 更年期の不調と仕事への影響出典:2021年12月 花王 コンシューマーインテリジェンス室調べ更年期症状の自覚のある45〜64歳有職男性359人コラム

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