エルダー2024年5月号
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実態に合わせた高齢者雇用制度の明文化を提案危険をともなう電気工事新人に安全第一を教示■■承することは、会社のためだけでなく地域のお客さまのために必要なことです。社員のお手本ともいえる82歳になる専務は勉強家で、若手に向けた技術伝承に熱心です。朝礼の時間に勉強会を開き、日々の業務に役立つ専門的な技術を教えています。その姿からわれわれは元気をもらっています。このように高齢社員には若手のお手本として、後進の指導・育成のためにも、定年年齢の引上げを含めた就業規則の変更を検討しています」(■﨑部長)山崎プランナーは2014(平成26)年に同社を初めて訪問しました。その後複数回訪問を重ね、2022(令和4)年には高齢者戦力化のための加■藤■正■義■さん(74歳)は、電気工事の経験を買■■■■■提案書を提出しました。「会社の規定(就業規則)では希望者は65歳まで働ける制度となっていますが、それ以上の年齢の人も元気に働いており、会社としてもきちんとした戦力は必要だとの認識をお持ちでした。ある程度の条件は必要ですが、65歳以降も働けることを明示することによって、働く人も安心して継続雇用を受け入れることができます。現状として65歳以上、70歳以上の雇用もなされているので、基準を定めて70歳までの雇用を続けられる制度の明文化を提案しました。そのためには健康管理も重要な要素となることから、生活習慣病予防健診を定期健康診断のときに希望によって追加受診できるようアドバイスしました」。今回は、電気の技術者として後輩を指導する二人にお話を聞きました。われて50歳で入社しました。第一種電気工事士や小型移動式クレーンなどの資格を所持し、住宅設備工事の現場代理人を長年まかされています。「現場では運搬、取付けなど各担当者に指示を出すのが仕事。LED照明を取り付けた後、すべてのスイッチをオンにしたときの光景は爽快な気分になります。現場によっては、電気を止めずに作業をしなくてはならないこともあり、事故防止の安全対策に気を遣います」と加藤さん。近年はLED照明導入にともなう庁舎の電気工事が多いそうです。加藤さんに現場で指導を受けている成■田■聖■平■さん(25歳)は「入社したてのころ、危ないことをするたびに『そんなことしたらダメだ!』と、すかさず加藤さんの声が飛んできました。普段はやさしく諭すような口調で教えてくれるので、わからないことは気兼ねなく聞けて解消でき、仕事に取り組みやすいです。初めて一人でまかされた仕事をやり切ったとき、褒めてもらったことが忘れられません。自信がつきましたし、これからもがんばろうと意欲がわきました」と大先輩とのエピ朝礼では勉強会も実施現場に向かう前に器材を確認する加藤正義さん2024.536

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