中高年齢層の〝学び直し〟で経営マネジメント研修も個人・部門の「目的・目標チャート」で主体的な学びいます。キャリアアップ研修のなかで、いまの時代にあった学び直しをしていただき、それを仕事に活かすということをしてもらっています」同プログラムの終了後には、必要に応じて、さらに学び直しの研修を行う。「会社としては、来ていただいた人には長く働いてもらいたい。定着という意味も含めて、戦力化のため、スキルを上げてほしい」というのが、税田社長の願いだ。同社は3年前の2021(令和3)年、社内の人材育成プログラムの体系化を、社長、同社役員に加え、キャリアコンサルタントなど外部の人事戦略専門家にも参加してもらい、1年間かけて行った。同社各部門の職務に必要な能力要件を明確化し(図表)、それを明示した「人材育成計画」を策定した。能力要件は、役員・管理職・中堅社員・若手社員・新入社員の各職務階層に応じ、「テクニカルスキル(業務遂行能力)」、「ヒューマンスキル(対人関係能力)」、「コンセプチュアルスキル(概念化能力)」の3要素で整理している。例えば、「テクニカルスキル」の場合、新入社員に求められるのは「パソコンスキル」や「ビジネスメールや社内ドキュメントの書き方」があるが、若手社員になると「タイムマネジメント」や「業界の市場理解」、中堅社員では「プロジェクトマネジメント」や「業界の市場分析」、管理職では「人事考課」、「生産性向上」などとなる。人材育成計画には、各職種の各階層に応じた、独自の教育訓練体系についても盛り込まれている。同社は現在、この教育訓練体系に基づき、必要な職務能力を育成するための学び・学び直しを実践。特に近年は、会社の業務が拡大し、社員・スタッフの人数も増加しているなか、マネジメント人材の育成が急務となっており、40〜50歳代の学び直しとして、管理職研修に力を入れているという。また、同社では、部長や課長といった管理職をすべて女性が占めるなど、女性の活躍が目立っているが、「これまでのキャリアで、管理職、あるいは管理職以上に必要とされるスキルを身につける機会がなかったケースが多い」(税田社長)のが実情だ。今後、長く活躍してもらうためにも、管理職の育成が不可欠となっているそうだ。そこで同社では、2023年度に、管理職、管理職以上に必要とされる「コンセプチュアルスキル」を学んでもらおうと、宮崎県の「ひなたMBA」に、管理職である50代の女性社員2人を派遣した。ひなたMBAは、「これからの宮崎をリードする産業人材を育成すること」を目的に、県と経済団体・金融機関などが実施する人材育成プログラム。県内企業に勤めている人が対象で、組織マネジメントや経営学などをはじめ、経営者・幹部、管理者やマネージャーとして必要なビジネススキルを学ぶことができる。2人は会社の業務と並行して研修に通った。「ひなたMBA」に参加した2人は、受講と2024.542図表 階層に応じた能力要件テクニカルスキルヒューマンスキル高度なネゴシエーション高度なプレゼンテーションコーチングファシリテーション傾聴チームマネジメントリーダーシップネゴシエーションティーチングプレゼンテーションアサーティブコミュニケーションフォロワーシップ社会人としてのコミュニケーションロジカルシンキングチームビルディング※ 資料提供:株式会社グローバルクリーン事業計画策定リスクマネジメント財務分析役員労務決算書などの数字の見方生産性向上人事考課プロジェクトマネジメント業界の市場分析業界の市場予測業務改善タイムマネジメント業界の市場理解分析視点を持った自社サービスの商品知識ヒアリング力管理職中堅社員若手社員就業規則社内のマニュアル自社サービス各配属予定部署の業務内容パソコンスキルビジネスメールや社内ドキュメントの書き方PDCAの回し方新入社員コンセプチュアルスキル経営戦略意思決定組織運営組織開発問題解決マーケティング戦術立案クリティカルシンキングクリエイティブシンキング企画提案問題発見ラテラルシンキング課題発見力企画力
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