調査実施以外には課題が多い全体的な生活満足度(総合主観満足度)ll-ANDWELL-* I iill-さ」と「幸福感(We数値化・可視化したもの。一般社団法人スマートシティ・インスティテュートが公表。ウェルビーイングの調査で重要なのは、「客観指標」と「主観指標」の組み合わせといわれています(図表)。客観指標とは、同一項目の設問であればだれが見ても同じ結果となる数値基準です。主観指標とは、同一項目の設問であっbeng)」を指標でても人によって感じ方が違うものです。ウェルビーイングでは個人がどの程度の〝よい状態〟と感じているかが重要なので、主観指標がより重視されます。例えば、世界幸福度ランキングでは、客観指標は、一人あたりGDPと健康寿命の2項目に対して、残り4項目は主観指標で構成されています。内閣府の調査でも図表の通り、主観満足度が上位の階層に位置づけられています。ウェルビーイングが広まるもととなったWHO憲章の効力発生は1948(昭和23)年ですが、少なくとも日本ではそれほど注目されていませんでした。しかし、2015(平成27)年に国連で採択されたSDGs※4の目標3にすべての人に健康と福祉を(GOOD目度が上がります。企業の社会的責任としてSDGsへの貢献をあげる企業が多いなかで、事業活動を通じたウェルビーイングの実現を経営目標に掲げる企業や、ウェルビーイングの一環として社員の健康維持管理のために健康経営※5や労働時間の短縮・休日増加など働き方改革を推進する企業、従業員満足度調査を実施し人事BENG)と掲げられたことから注HEALTH施策に活かすなど、具体的な実行に移している企業は多くあります。ウェルビーイングの認知度の低さが課題としてあげられます。内閣府が2023(令和5)年に行った調査※6によると、新たな価値観に関する調査として、SDGsとウェルビーイングへの関心に関する年代別回答があります。「知らなかった」という回答のうち「SDGsへの関心」が7・2%〜12・2%に対して、「ウェルビーイングへの関心」が34・8%〜44・8%とSDGsと比べてウェルビーイングはまだまだ知られていない状態です。びに日本の順位(2024年は143カ国中51位。前年は137カ国中47位)から日本人の幸福度の低さが報道等で指摘されています。2023年に発表された成長戦略実行計画でも、新たな日常に向けた成長戦略の一環として、「国民げられていますが、どのように対応してウェルビーイングの意識を上げていくかの対応は明確になっていない状況です。調査結果を活かした具体策の策定も今後の重要な課題といえます。がWe一方で、社会全体ではどうかというと、まずまた、世界幸福度ランキングが公表されるた* * * 次回は「出向・転籍」について解説します。bengを実感できる社会の実現」が掲51図表 満足度・生活の質を表す指標群〈第1層〉〈第2層〉分野別主観満足度家計と資産雇用と賃金住 宅仕事と生活(ワークライフバランス)健康状態※ このほかの分野別主観満足度の項目として、「あなた自身の教育水準・教育環境」、「交友関係やコミュニティなど社会とのつながり」、「生活を取り巻く空気や水などの自然環境」、「身の回りの安全」、「子育てのしやすさ」、「介護のしやすさ・されやすさ」がある。出典: 内閣府「満足度・生活の質に関する調査報告書2023年〜我が国のWell-beingの動向」(2023年7月)エルダー※4 SDGs…… 持続可能な開発目標。「誰一人取り残さない」という理念のもと、「持続可能な世界を実現する」ことを目ざした、2030年を達成期限とする17の※5 本連載第13回(2021年6月号)「健康経営」をご参照ください。 https://www.jeed.go.jp/elderly/data/elder/book/elder_202106/html5.html#page=55※6 「第6回 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」2023年4月19日公表ゴール、169のターゲット、および、その進展を評価するための指針を持つ包括的な目標正規雇用数・不本意非正規雇用数長時間労働者割合(週49時間以上)糖尿病が強く疑われる者の割合・生活習慣病による死亡者数〈第3層〉客観指標群可処分所得金額金融資産残高生産賃金完全失業率・有効求人倍率所得内給与額・最低賃金延床面積家賃地代住宅保有率実労働時間年次有給休暇取得率平均寿命・健康寿命運動習慣がある者の割合■■■■■■■■いまさら聞けない人事用語辞典
元のページ ../index.html#53