持ち前の探究心で技術や芸術への造詣を深めるhttps://atg-akiyamasekizai.jimdofreecom秋山石材有限会社TEL:046(241)6670(撮影・福田栄夫/取材・増田忠英)ょう奘じ三さ蔵ぞがたどった長安からガン んう.うんん秋山さんは、神奈川県伊勢原市の石材店で6人兄弟の末子として生まれた。父親が早くに脳卒中で倒れ、16歳で家業を手伝い始める。「当時は磨き、石張り、字彫りなど、各分野で腕のいい職人さんたちがいて、その仕事ぶりに触れながら育ちました。まだ手作業が主力だったころに仕事を覚えられたことは、いま思えばよかったです」若いころは仕事のかたわら、アマチュアの自動車レースにも熱中。24歳のときにレースから手を引き、石工の仕事に専念するようになる。1975︵昭和50︶年、に移り、石材店を開業した。「独立すると、いろいろなことに挑戦しなければなりません。その過程で寺院の住職や彫刻家などさまざまな人と出会い、育ててもらってここまで来ました」秋山さんの探究心の強さがうかがえる。レース以外にも、陶芸にはまり窯までつくったり、仏教美術に対する造詣を深めようと、玄げダーラまでの道のりをバスで3週間かけてたどったことも。これらが、秋山さんにしか持ち得ない「総合力」につながっているのだろう。昨年、社長の座を長男に譲り、会長に退いた。2代目には「秋山石材のカラーをうまく継承してもらえればありがたい」と期待する。「石に彫った字は、ずっと残るので怖いんです。中国に行くと、2000年前くらいの碑が平気で残っていますからね。いまも時間さえあれば、何か字を書いています。これからも、一生懸命努力を重ねていくしかないですね」喜寿を迎えますます意気軒け昂こだ。なつめ vol.33963エルダー1975年設立の秋山石材。秋山さんが製作したモニュメントが目印竹の筆で揮毫した「祈」。このような字は手作業でなければ彫れない施工した東京・御成門緑地のモニュメント(設計監修:眞ま板いた雅まさ文ふみ氏)(写真提供:秋山十三男氏)ノミを使い手彫りで原石から製作した「棗型つくばい」(高さ約70㎝)便器と扉を除き石で試作したトイレ。壁の石板の象ぞう嵌がんもきれいに仕上がっている揮毫した字を墓石に写し、サンドブラストで彫る部分のゴムをカットしながら、文字の形を調整する。ここまでは人に任せられないといういまも時間があれば、書の研究や練習に充てている。写真は愛用の竹筆と、見本にしている竹筆で書かれた書。独特のカスレ具合が特徴だ26歳のときに独立して隣の厚木市
元のページ ../index.html#65