また、これも社員と同様に、副業や業務委託のシニアでも“学ぶ姿勢”を持ったシニアのほうが高いパフォーマンスを発揮します。知識や経験がまったくない場合はさておき、新しい学びやチャレンジを目ざす副業や業務委託のシニアを「プロではない」と拒否するのは得策ではありません。一方で企業の立場からすると、これまでの日本の雇用のスタイルで一般的ではなかった副業や業務委託などの働き方、それもシニアが行うケースに、スムーズに対応するのは戸惑いが大きいのも事実です。2023年末に厚生労働省が発表した令和5年「高年齢者雇用状況等報告」※4によると、65歳以上の就業機会確保のために業務委託などの働き方を設ける「創業支援等措置」を導入した企業は、調査項目に加わった2021年以降、0・1%のままとなっています(図表)。さらに「フリーランス新法」が2023年4月に成立し、発注する企業の視点で見れば、さまざまな義務が課せられることで負担が増しています。業務委託のシニアに活躍してもらうためのポイントもシニア社員の場合(本稿①~④)との大きな差がないため、シニア社員の活躍推進とあわせて考えていきましょう。6副業先先や入入業務観観委でで託決決だめめけつつでけけなななくいい、シニアをめぐる就業環境や転職市場、制度は目まぐるしく変化しており、企業が学んだり工夫を求められたりする領域と頻度は加速度的に高まっています。経営者や人事担当者は、つねに新しい制度とバイアスにとらわれないシニアの就業と転職の実態を見つめる必要がありそうです。にいち早く順応することや、個別のシニアの事情に寄り添うことではありません。いかに業務遂行能力“だけ”を見て判断・評価ができるか、そして業務遂行能力はあるのになんらかのハードルがあるのであれば、業務遂行能力を活かせる工夫をできるかということが大切です。ぜひ、シニアという先入観に惑わされず、能力で判断するマインドへと変革していきましょう。しかし、最も大切なことは、定められた制度2024.610出典:厚生労働省 令和5年「高年齢者雇用状況等報告」※4 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36506.html図表 就業確保措置の内訳定年制の廃止定年制の廃止全企業(29.7%)301人以上(22.8%)21〜300人(30.3%)0.0%3.9%3.9%2.3%2.3%0.7%0.7%0.6%0.6%4.2%4.2%2.4%2.4%23.5%23.5%21.3%21.3%23.7%23.7%0.1%0.1%0.2%0.2%0.1%0.1%定年の引上げ定年の引上げ5.0%10.0%継続雇用制度の導入継続雇用制度の導入15.0%20.0%創業支援等措置の導入創業支援等措置の導入25.0%30.0%35.0%
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