は、時間的に後から労働契約を締結した使用者における当該超える部分が時間外労働となります。例1、例2のいずれも、時間的に後から労働契約を締結したのは企業Bです。したがって、企業Bが法定時間外労働を1時間発生させたこととして取り扱われ、1時間分の割増賃金を支払うことになります。(3)所定外労働時間の通算副業の開始後は、自社の所定外労働時間と副業先における所定外労働時間とを当該所定外労働が行われる順に通算します。自社と副業先のいずれかで所定外労働が発生しない場合の取扱いは、次の通りです。・自社で所定外労働がない場合は、所定外労働時間の通算は不要です。・自社で所定外労働があるものの、副業・兼業先で所定外労働がない場合は、自社の所定外労働時間のみを通算します。そして、通算した結果、図表2で示す通り、自社の労働時間制度における法定労働時間を超える部分が時間外労働となり、割増賃金を支払う必要があります。例1、例2のいずれも企業Aと企業Bにおいて所定外労働が発生しています。そして、所定労働時間の通算の後、所定外労働が行われる順に通算することになります。例1のケースでは、まず、企業A(先に労働契約を締結)の所定労働時間3時間(①)+企業B(後から労働契約を締結)の所定労働時間3時間(②)を通算します。この時点で、労働時間6時間となります。次に、所定外労働時間の通算です。さきほどの6時間に、当日、先に所定外労働を発生させた企業Aの所定外労働時間2時間(③)を通算します。この時点で8時間ですので、まだ法定労働時間内です。(④)を通算します。賃金が発生することになります。Aが、法定外労働時間1時間分の割増賃金を支払うことになります。(1)労災保険①複数事業労働者事業場と労働契約関係にある労働者は、複数事業労働者となります。②賃金額の合算環境を整備するため、非災害発生事業場の賃金額も合算して労災保険給付額を算定することとしています(図表3)。③負荷の総合的評価そして、次に企業Bの所定外労働時間1時間この1時間は法定外労働時間ですので、割増例2も同様の順で行います。例2では、企業被災した時点で、事業主が同一でない複数の複数事業労働者が安心して働くことができる複数事業労働者の就業先の業務上の負荷を、5副業と保険関係特集即戦力となるシニア人材の確保へ図表2 所定外労働時間の通算(原則的な労働時間管理の方法)13エルダー(例1) 企業A:時間的に先に労働契約を締結 所定労働時間1日3時間(7:00〜10:00)ー① 企業B:時間的に後に労働契約を締結 所定労働時間1日3時間(15:00〜18:00)■②7時0時24時→ ①+②+③で法定労働時間に達するので、企業Bで行う1時間の所定外労働(18:00〜19:00)は法定時間外労働となり、企業Bにおける36協定で定めるところにより行うこととなります。企業Bはその1時間について割増賃金を支払う必要があります。(例2)企業A:時間的に先に労働契約を締結 所定労働時間1日3時間(14:00〜17:00)ー① 企業B:時間的に後に労働契約を締結 所定労働時間1日3時間(7:00〜10:00)■②7時0時24時→ ①+②+③+(④のうち1時間)で法定労働時間に達するので、企業Aで行う1時間の所定外労働(18:00〜19:00)は法定時間外労働となり、企業Aにおける36協定で定めるところにより行うこととなります。企業Aはその1時間について割増賃金を支払う必要があります。出典:厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン わかりやすい解説」(2022年)当日発生した所定外労働2時間(10:00〜12:00)ー③当日発生した所定外労働1時間(18:00〜19:00)ー④12時10時当日発生した所定外労働2時間(17:00〜19:00)■④当日発生した所定外労働1時間(10:00〜11:00)■③10時14時11時15時18時19時17時18時19時企業A企業B②①③④③①④企業B②企業A
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