エルダー2024年6月号
20/68

で、高年齢者の就労意欲は今後ますます高まることが予想されます。一方、高年齢者の働き方に対する考え方はさまざまです。産業雇用安定センターが2023年11月に実施した、求職活動中の60代男女1000人を対象とした調査によれば、50代までの働き方から少しペースを落としつつも、働きやすい仕事や職場で、ある程度しっかりした働き方を希望するなど、高齢者の就業ニーズの一端が明らかになりました(コラム参照)。また、調査結果では、いわゆる人手不足分野といわれる業種であっても、仕事内容を見直し、業務を細分化してそれぞれ分割した業務ごとに求人することによって高年齢者の応募の可能性が高まり、人手不足の緩和につながる可能性のあることもわかりました。働きやすいような就労環境、雇用条件を柔軟に設定することによって、高齢人材の活躍をうながしていくことがますます必要な時代になっています。おわりに6産業雇用安定センターでは、人手不足に悩む中小企業の人材確保の課題に対して、大手企業でさまざまな経験を積んできた方々がその知識・経験を活かしてさらに中小企業で活躍できるよう、両者の橋渡しに今後さらに積極的に取り組んでいきます。用の終了を迎える際には、ぜひ、キャリア人材バンクの利用を検討いただき、退職予定のみなさまの企業を通じたご登録をお願いします。また、キャリア人材バンクは個人での登録も受けつけていますので、その周知、利用勧奨につきましても、あわせてお願いいたします。高年齢者の就業ニーズを理解し、高年齢者が大手企業で働くみなさんが定年退職、継続雇(3)キャリア人材バンクによる再就職者の受入職種キャリア人材バンクによる再就職者の受入職種は、「事務的職業」、「販売・営業の職業」、「研究・技術の職業」、「管理的職業」などのいわゆるホワイトカラー系の職種が6割近くとなっています(図表5)。5高年促齢進者雇に用向安け定て法の改正により、70歳までの就業機会確保の努力義務が設けられるなか高年齢者のさらなる活躍の2024.6181.仕事探しで重視するもの 「仕事内容・職場の働きやすさ」(40%)、「就業場所や通勤時間」(35%)の割合が高く、「給料」(25%)はやや低い2.希望する就労日数 男性60~64歳の約半数が「週5日」以上を希望する一方、女性と男性65~69歳では7割から8割超が「週4日」以下を希望3.職種別の希望度●「行政・公的機関での事務補助(年単位雇用)」(65%)など事務系の職種の希望度が高く、なかでも「事務補助・雑務」、「学校校務支援」などのサポート的な職種の希望度が高い●人手不足分野の運輸、警備、介護福祉の仕事はシニア層でも希望者は少ないが、「他に仕事がなければ希望したい」とする者などを含めれば一定数いることがわかった●業務内容を限定または分割することによって希望度が高まる「職種」があり、例えば、福祉施設における業務に関し、「福祉施設の清掃・食器洗浄などの間接業務」は「介助業務」より10ポイント近く希望度が高かった出典:産業雇用安定センター「60代シニア層の就業ニーズに関する調査結果」(2023年)https://www.sangyokoyo.or.jp/topics/2023/senior_60ank_20240115.htmlコラム60代シニア層の就業ニーズ調査(結果概要)

元のページ  ../index.html#20

このブックを見る