エルダー2024年6月号
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あったのに対して、2010年では、女性は7ポイント減少して69・4%、これに対して、男性は30・6%になり、男性の割合が増えている。このことは介護のにない手の男性シフトが続いていることを示している。その理由として40〜増加していることが考えられる。さらに、同居している家族介護者のうち「子」の年齢(2010年)についてみると、男女ともに5割以上(女性52・6%、男性56・5%)が40歳代から介護者が増えている。そのため介護を理由とする離職者(介護離職者)も増加している。総務省統計局「就業構造基本調査」(2017年)によれば、過去1年間(2016年10月〜2017年9月)に「介護・看護のため」に前職を離職した者についてみると、9万9000人(過去1年間に前職を離職した者に占める割合1・8%)で、うち男性は2万4000人、女性は7万5000人となっており、女性が74・1%を占めているが、男性比率の推移をみると、2002年10月〜2003年9月までの間の16・0%から、2011年2016年10月〜2017年9月までの間のうかがわれる。このように多くの中高年男性にとって親の介護は配偶者任せにはできなくなり、自らが当事者になることをあらためて認識する必要がある時代に突入した。また、要介護者になったときの子どもの仕事と介護の両立支援も大きな課題になっている。団塊世代と呼ばれていた64歳〜67歳)を対象にしたアンケート調査をまとめた(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)〈2015〉『団塊世代の就業・生活意識に関する調査研究報告書ー2014年調査ー』(第8章)によれば、子どもがいる60歳代(1629人)が自分の介護が必要になったとき、配偶者に頼れない場合、どのような対応をするか明らかにしている。それによれば、子どもと「話し合ったことがある」(「話し合ったことがある」1・5%+「ある程度話し合ったことがある」9・8%)が話し合ったことがない」32・3%+「話し合ったことがない」56・4%)が88・7%であり、と話し合っていないことになる(図表1)。こうした結果は大介護時代を乗り切るために、まだ、十分な準備に取りかかっていないことを表している。との話合い状況については男性よりも女性の方が自分の介護について子どもと話し合っている。また、現在の就労状況別にみると、就労状況にかかわらず、自分の介護について子どもと話し合う比率は変わらない。これに対して、60歳代の介護保険制度の仕組みに関する知識の保有状況別にみると、介護保険制度の仕組みに関して知っている者ほど、自分の介護について子どもと話合いを行っており、介護保険制度の仕組みを知ることと自分の介護について子どもと話合いを行うことは密接な関係にある。険制度の仕組みをどの程度知っているのか」についても明らかにしている。それによれば、介護保険制度の仕組みについて「知っている(「知っている」6・3%+「ある程度知っている」45・6%)が51・9%、「知っていない」(「あまり知らない」44・1%+「知らない」4・0%)こうした60歳代の自分の介護に関する子どもちなみに、同報告書では、60歳代が「介護保53エルダー10月〜2012年9月までの間には19・5%、11・3%、「話し合ったことがない」(「あまり50歳代になっており、仕事を持っている中高年2筆者子がど執も筆とに参ど加のし程た度、話60し歳合代っ(調て査い時る点かで50歳代の女性の就業率が高まり、共働き世帯が24・2%となっており、上昇傾向にあることが60歳代の9割弱が、自分の介護について子ども60歳代は自分の介護について特別寄稿「介護が必要になる従業員の親」からみた「仕事と介護の両立支援」の課題

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