1「少55子高人人齢にに化11」、「人人人はは口高高減齢齢少社社」の員員言葉をよく耳にします。日本の総人口は2008(平成20)年をピークに減少傾向に転じたことが理由です。また、労働力人口は1990年の6384万人から2023(令和5)年の6925万人へと増えていますが、そのうち60歳以上の比率は労働者の5人に1人は高齢労働者の状況にあります。日本経済の活力を今後も維持するには働き手を増やすことが不可欠であり、わが国の重要な政策課題の一つになっています。さらに、ライフスタイルの変化にともなう個々の労働者の特性やニーズが多様化しているなか、将来も安心して暮らすために長く働きたいと考える労働者も増えており、高齢期になっても能力や経験を活かして活躍できる環境の整備がいっそう求められるようになりました。こうした背景のもと、高齢者雇用に影響をおよぼす高年齢者雇用安定法(以下、「高齢法」)は令和期に入った2020年に改正(2021年4月施行)され、新たに「70歳までの就業確保」の努力義務化が企業に課せられ、令和期の高齢者雇用は70歳就業時代に向かうことになりました。マンガに登場するJEED製パン株式会社の雇用制度が「65歳定年+希望者全員70歳までの継続雇用」としているのは、今回の高齢法改正に対応して整備したことによるものです。この春の人事異動で人事部に着任した焼立さんのように、読者(新任の人事担当者を念頭に置いています)のみなさんは、現在の高齢者雇用を理解するのがたいへんかと思います。そこで、総論では高齢者雇用に影響を与える改正された高齢法の概要をふり返るとともに、政府統計から高齢者雇用の現状を確認し、70歳就業時代に向けた課題を述べていきたいと思います。2改正高高さ年年れ齢齢た者者高雇雇齢法用用(安安以定定下法法、「のの新概概高要要齢法」)のポイントは、事業主(以下、「企業」)が高齢者の多様な特性やニーズをふまえ、70歳までの就業機会が確保できるよう、旧高齢法の規定である「高年齢者雇用確保措置」に加え、多様な選択肢を制度として設ける「高年齢者就業確保措置(70歳までの就業確保措置)」の努力義務が企業に課せられている点です(図表1)。旧高齢法の規定は次の二つです。第一に企業が定年を定める場合は60歳以上としなければならないこと、第二にそのうえで65歳までの雇用機会を確保するため、企業に対して図表2の上段に示す三つの制度のいずれかを、「高年齢者雇用確保措置」(以下、「雇用確保措置」)として講じる義務が設けられたことです。つまり、企業は65歳まで自社あるいは自社のグループ企業※1 総務省統計局「労働力調査」※筆者作成2024.78図表1 新高齢法と旧高齢法の比較11・5%から21・6%へと拡大しており※1、現在、《旧高齢法》《新高齢法(2021年4月施行)》(65歳までの雇用確保措置)〈義務〉高年齢者雇用確保措置〈義務〉高年齢者雇用確保措置(65歳までの雇用確保措置)〈努力義務〉高年齢者就業確保措置(70歳までの就業確保措置)改改正正さされれたたははじじめめにに〜〜
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