エルダー2024年7月号
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1人手進進不むむ足働働の時きき代方方のののな柔柔か軟軟で、化化多くの企業で社員のライフスタイルの変化に対応した多様な働き方が整備されるようになりつつあります。解説2のテーマである「働き方」は勤務制度をもとにしています。マンガに登場するJEED製パン株式会社の勤務制度はフルタイム勤務のほかに、短日・短時間勤務が整備され、製造部門(工場)に所属する高齢社員の三戸さんは、持病の通院のために短日勤務をしながら仕事を続けています。高齢社員の戦略的活用を進めている企業がとる継続雇用の高齢社員の働き方は、定年前の正社員と同じフルタイム勤務を基本としています。しかし、JEED製パンの勤務制度がフルタイム勤務のままでは、三戸さんは仕事を続けることがむずかしい状況でした。柔軟な勤務制度が整えられていたことで、三戸さんは働き続けることができたのです。こうした勤務制度の多様化は平成期に入ってみられる動きです。解説2では平成期以降に進められた勤務制度の多様化の動きとそのもとでの高齢社員の勤務制度をふり返り、令和期の働き方を考えてみたいと思います。2まず勤勤勤務務務制制制度度度ののの基基基本本本原原原則の則則確認からはじめます。正社員の勤務制度は「1日8時間、週休2日制」というのが読者の一般的な認識ではないでしょうか。これは労働基準法の「1週の労働時間の上限を40時間とすること」、「1日の労働時間は8時間を超えないこと」、そして「休日を1週に1日以上与えること」をもとにしています(同法第32、35条)。この労働時間を「法定労働時間」、休日を「法定休日」と呼んでいます。「1日8時間、週休2日制」は1日の労働時間を「8時間」とした場合の勤務制度※1で、フルタイム勤務はこの「1日8時間、週休2日制」という働き方をさしています。この法定労働時間の枠のなかで企業は自社の労働時間を自由に定めることができ、定めた労働時間は「所定内労働時間」と呼んでいます。企業は自社の所定内労働時間を6時間、7時間のように、法定労働時間の上限より短く設定することができるのですが、ほとんどの企業が1日の労働時間を「8時間」としています。法定労働時間の枠のなかで最も長く設定できる時間だからです。さらに「1日8時間」の労働時間についても、企業は始業時間と終業時間を定めています。こうした労働時間制度を「一般的な労働時間制度」と呼ぶことにします。タイム勤務」の、会社が始業・就業時間を定める「一般的な労働時間制度」の勤務制度が、多くの企業でとられている標準的な制度です。3こう変変し化化たのの勤動動務きき制度〜〜は「「昭柔柔和軟軟期化化を」」通して形成され、標準的な勤務制度となりました。しかし、平成期になると勤務制度に変化の動きがみられました。その動きの特徴は勤務制度の「柔軟化」です。図表はその概要を整理したものです。大きく三つの変化がみられました。の柔軟化です。先に述べた「1日8時間、週休2日制」は1987(昭和62)年の労働基準法改正で週48時間であった法定労働時間を週40時間に段階的に変更したことがベースになっています。さらに、この改正では法定労働時間の短縮とともに労働者の生活の質的向上を図るためにフレックスタイム制などの変形労働時間制度の導入が整備され、労働時間の柔軟化への動きがはじまりました。平成期に入ると経済活動のグローバル化や情報化等の進展、労働者の就業このように1日8時間、週休2日制の「フル第一の動きは、平成期前半の「労働時間制度」特集新任人事担当者のための高齢者雇用入門※1 なお、同法ではこの原則を法定の条件内で変更できることを認めており、「変形労働時間制」と呼ばれている17エルダー平平成成期期以以降降のの勤勤務務制制度度のの

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