エルダー2024年7月号
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3210■■■の優先度を高くする必要があります。「転ぶ」こと自体は、子どものころにだれでも経験します。労働者のなかでも、若年層では転倒で大けがには至らない場合が多く、軽度な問題と考えられがちです。しかし、高齢者が転倒すると、骨折や頭部外傷などの重大なけがにつながるため、決して軽んじてはいけません。転倒災害は労働災害であるというマインドセットが何よりも重要です。3高齢加加者齢齢雇にに用によよ関るるす身身る体体課機機題は能能多のの岐低低に下下わたりますが、加齢にともなう身体機能の低下はそのなかでも最も顕著なものの一つです。人は、年齢を重ねると筋力や柔軟性が低下し、体力の減退やバランスの悪化などが起こります。これは自然の摂理であり、「自分だけは大丈夫」ということは決してありません。労働者の身体機能に関して、若年齢と高年齢の労働者を統一指標で直接比較した場合※3、20〜24歳を100%とすると、55〜59歳で心肺・代謝機能80〜90%、敏■捷■性・運動調節能力60〜80%、関節可動域60〜て感覚・平衡機能が30〜50%まで低下します。注目すべきは、高齢者は視覚、位置覚、平衡転倒災害発生率(千人率)年齢全体, n15〜39歳40〜59歳60歳以上60〜64歳65〜69歳70歳以上男性14,3652,792(19%)6,404(45%)5,169(36%)1,951(14%)1,510(11%)1,708(12%)女性20,9301,755(8%)8,885(42%)10,290(49%)3,908(19%)3,154(15%)3,228(15%)35,2954,547(13%)15,289(43%)15,459(44%)5,859(17%)4,664(13%)4,936(14%)全体0.160.1625〜2930〜3435〜3940〜440.840.841.031.0345〜4950〜5455〜5960〜64年齢(歳)2.612.611.961.96※3 斎藤一「向老者の機能の特性 停年制問題を背景に考えて」『労働の科学』22号(1967年)※パーセンテージの総和は四捨五入により100%にならない場合がある※厚生労働省「令和4年労働災害発生状況」より筆者作成0.200.200.290.29※ 厚生労働省「令和4年労働災害発生状況」より筆者作成2024.722図表2 年齢階級・性別の転倒災害(2022年)図表3 各年齢階級の労働者の転倒災害(千人率)0.240.2415〜1920〜2490%、筋力60〜70%、認知機能50〜60%、そし0.150.150.170.170.210.210.280.280.330.330.210.210.240.241.421.420.840.840.430.430.300.300.660.660.400.400.530.532.842.842.672.671.311.311.381.381.171.172.062.061.451.450.830.8365〜6970〜7475〜7980〜84女性男性85〜

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