エルダー2024年7月号
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パンづくり一筋、パワフルに働く82歳ir小■野■四■市■さん(82歳)は、就労継続支援A型事業la■l■■明るく闊達な話しぶりからも、80歳間近とは思えないバイタリティが垣間見えます。人づき合いが好きで、若いころから営業やタクシードライバーなど、人と接する仕事に就いてきたそうです。「多方面においてスキルを持った方で、特に教えることがうまく、周りからとても頼りにされています」(原専務兼部長)「仕事中はまったく年齢を感じさせないところがすごいと思います」(本間さん)藤井さんは9時30分〜15時30分までの週4日勤務で、「時間帯がちょうどよい」と話し、無理なく働けているとのこと。「仕事は生きがい。規則正しい生活が送れて毎日楽しく、生涯働くつもりです」と抱負を話してくれました。所「Petit Éc」の工房で、パンづくりを通して通所者の就労支援を行っています。仕事は6時から12時まで。出勤するとまずサンドイッチ用の食パンをスライスし、その後パン生地の成形を通所者とともに行います。「決まった時間までにパンを焼き上げるのがたいへんです。生地は毎日状態が異なるのでそこがむずかしいところ。きちんと時間内に終えられると楽しいと感じます」とキリッとした面持ちで語ります。小野さんは製パンメーカーを定年退職後、小学生の交通誘導の仕事をしていたところ、通勤中の原専務と顔見知りになりました。原専務がたまたまPetit Écair手渡す機会があり、「以前はパンづくりの仕事をしていて」と打ち明け、トントン拍子でMAYURAで働くことになりました。「MAYURAで働き出してもう13年。仕事を任せてくれるのでやりがいがあります」と小野さん。「販売スキルが非常に高く、車で販売に出ると必ず完売して戻ってくるので驚いていました。年齢的に車の運転がむずかしくなってきたこともあり、本人も会社も泣く泣く販売業務を卒業し、成形の仕事に変更しましたが、生産量の増加におおいに貢献してくれています」(原専務兼部長)工場長の伊■藤■千■秋■さん(73歳)は、「小野さんはパンづくりの経験が長く、成形の手さばきが違いのパンをます。やさしい人柄で怒らずに教えてくれるので、通所者のみなさんもわからないことがあれば、小野さんに質問に行くのです。業務の引継ぎもていねいで、さじ加減がポイントになる工程も含め、簡潔で正確に要所を説明してくれます」と高く評価していました。伊藤さん自身も70代ということで話を聞くと、「会社には同世代の人が多く、みんな『年寄り』という感じはあまりありません。私はもともとパティシエとして働いていたので、おいしいものを提供することはやりがいです。これからも通所者一人ひとりに、技術をしっかり覚えてもらって、一人前になって社会に出られるよう力を尽くしたいです」と話してくれました。今回の取材を終え氏家プランナーは「高年齢者雇用安定法改正に合わせて制度導入を実施する事業所は多いですが、導入した制度をどうすれば実際に活用できるのかというところまで落としこむ考えがすばらしいと感じました」と語り、今後の高齢者雇用の取組みにも期待を寄せていました。将来的には定年撤廃も見すえているMAYURA。高齢社員のみなさんのますますの活躍が期待されます。(取材・西村玲)パンの成形工程で作業を手助けする小野四市さん41エルダー

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