エルダー2024年7月号
59/68

渡■■部■■昌■■■平■■、浅■■野■浩■■美■、立■■野■了■■■嗣■、小■澤■■康■■司■、下■■村■■英■■雄■、三■村■■隆■■男■ 著/永■■田■宏■■■ 著/講談社/990円日本キャリアカウンセリング史健診結果の読み方今日も元気で行ってきます。正しい理解と実践のために産業構造や働き方が変化するなかで、働く人や企業に求められること、それを支援する取組みも変わってきている。キャリアカウンセリングについても、時代や社会の変化に合わせて、さまざまな理論や技法が生み出されてきた。本書は、そんな日本におけるキャリアカウンセリングのこれまでの実践や研究、歴史を整理した一冊である。大きく2部で構成されており、第1部では、まず、戦後の職業能力開発行政の歩みとともに、キャリアコンサルタント制度の歴史をたどる。政策面のルーツを知れば、最近よく聞くリスキリングとの関係も理解しやすいだろう。キャリアカウンセリングの基盤を築いた組織や研究会の歴史についての記述も興味深い。第2部では、それ以前の労働・教育分野における「人事相談」や「職業指導」から説き起こし、キャリアカウンセリングが現在の姿になるまでを整理している。副題にもあるが、キャリアカウンセリングについて、正しい理解と実践のために、過去の歴史を学ぶことで「よりよい未来を考える」ことができる。よりよい実践に取り組む人の支えとなる有益な書である。気にしたほうがいい数値、気にしなくていい項目健康管理を経営的な視点でとらえる「健康経齢者が今後も増えていくと予測されるなか、高齢者が安心して安全に働ける職場づくりが企業に求められている昨今でもある。職場で毎年実施する健康診断は、健康状態や変化を把握し、病気の予防あるいは悪化を防ぎ、そのことが労働災害防止にもつながる大切な機会となっている。とはいえ、診断の結果を十分に活かせているだろうか。本書は、健康診断の結果を受けて、気にしたほうがよい数値なのか、気にしなくてよい項目なのか、数値の変化が意味することや基準値の話など、診断結果の読み方を解説する。肝機能や糖尿病、痛風など臓器別・病気別に解説されているので、気になる項目だけ確認するという読み方もOKだ。さらに主要な項目について、例えば自分の中性脂肪の数値は世の中全体の結果と比べてどうなのか、年代別のデータから知ることもできる。また、糖質ゼロはカロリーゼロなのか、がん検診の利益・不利益など、随所に健康診断にまつわるコラムもあり、健康リーダーとして知識を増やすことにも役立つ。職場のみんなで読みたい一冊である。営Ⓡ」(★)に取り組む企業が増えている。働く高歳をとると自分に自信がなくなり、いろいろなことをあきらめてしまう、高齢期とはそんなものだと想像している人は少なくないだろう。本書は、そうした思考やばく然とした不安をゆるやかに吹き飛ばしてくれる一冊だ。著者は、齢の私には異次元のむずかしさ」とふり返るも、懸命にスキルを身につけた。投稿を続けると、わずか52日間でフォロワーが2万人に。「私のような杖を片手に歩くおばあちゃんでもいろんなことに挑戦しているのです。いくつからでも諦めず輝く生き方はできる、と思っています」と本書にも綴っている著者の生き方や、介護が必要な夫と暮らす日常に感じたことなどを発信する投稿が共感を集め、顔は知らずとも心を通わせる相手がさらに増えていく。「私の書いたものが、もしかしたら、だれかの支えになれているかもしれない」。この思いが著者にとってXに投稿する原動力であり、フォロワーから声をかけられることが生きがいになっているという。本書は、Xを通じた心の交流や日々の暮らしのなかで感じること、おばあちゃんの知恵袋などをまとめたもの。SNSの時代を心豊かに過ごす高齢期の生き方のヒントが詰まっている。★「健康経営Ⓡ」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。実業之日本社/2420円凛@高齢女子/KADOKAWA/1540円57エルダー70代でTwitter(現在のX)を開設し、「高キャリアカウンセリングの変遷を知り、未来への実践へ知りたい項目から読んでもOK、職場に置いておきたい一冊フォロワー2万人の高齢女子が綴る、SNS時代のシニアの生き方70代高齢女子

元のページ  ../index.html#59

このブックを見る