利益日本語表記にするなど)といった外形上の改善に加え、操作を習得するための支援の充実などを行いましょう。二つめの「期待感のデザイン」には、より組織的な取組みが求められます。「期待理論」という考えでは、モチベーションの高さは「報酬の魅力」、「報酬を得るためのハードルの高さ」、「ハードルを乗り越えられる可能性」の3点で決まります。仮に賞与アップに魅力を感じるシニア社員がいたとします。同社員をデジタル活用に動機づけるには、賞与アップとデジタル習熟の因果関係を組織が保証し、かつその達成を信じられる環境を提供することです。具体的には、「スキルマップ(従業員が習得すべきスキル項目を一覧化したもの)」におけるデジタルツール習熟の評価が「良」になれば賞与査定をアップすると明言し、かつ、その挑戦を支援するためのOJTや社外研修会への参加機会を提供します。努力しても成果が出ないことが予想される場合はモチベーションが高まりません。がんばれば届くところに目標を設定し、またその達成を組織がバックアップしましょう。なお、デジタル活用に抵抗感があることを理由に、「シニアにはできることだけをやってもらう」という考えもあります。その結果として、単純作業やスポット的な作業をまかせるケースが増えるのであれば、注意が必要です。「職務特性理論」では、組織や顧客への貢献度合いが見えにくい仕事は魅力度が低く、モチベーションを損なうことが指摘されています。恒常的な人手不足の時代にあって、シニア人材は短期間の助っ人ではなく、長く頼りにすべきパートナーです。ていねいなフォローや教育を惜しむべきではないでしょう。3以上推推をふ進進ますすえるる、ププ最ロロ後セセにスス、ととDははXにシニアを巻き込むプロセスを整理します(図表3)。①バリューチェーン分析最初はバリューチェーン分析です。これは、自社が付加価値を生み出す流れをまとめたものです(図表4)。ここから、自社の「稼ぐ力の源泉」はどこにあるのかを分析します。販売時のコスト競争力に強みがあるなら、それを支える「調達」や「製造」が稼ぐ力の源泉かもしれません。人材に強みがあるなら、教育や採用を行う「人事・労務」が源泉かも知れません。こうした分析に不慣れなうちは、ChatGPTに「○○事業のバリューチェーン分析をやって」のように指示し、出てきた案を参考にするとよいです。このステップは経営戦略に近■支援活動■主活動 9①バリューチェーンの検証現状&未来の評価②アナログのデジタル置換で効率化③稼ぐ力をデジタルで強化経営層が戦略的観点から検討現場のシニア人材を巻き込む!シニアの発想を付加価値に変える!調達※ 筆者作成※ 筆者作成全般管理人事・労務技術開発調達活動製造出荷販売サービス特集ベテラン社員もDX!図表4 バリューチェーン分析の進め方エルダー図表3 DXの進め方小さな成功をスピーディーに追求するシシニニアアののDDXXををDXの進め方
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