エルダー2024年8月号
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DXを進めるためには、人財育成がきわめて重要なポイントとなる。2023年から展開している「DXアドベンチャープログラム」は、全社員のDXスキルのアセスメントを実施して、それぞれに合わせた学習プログラムを提供する。①全社員、②部門DX推進者、③全社DXリーダー、の3段階で構成しており、すでに約1万人の社員が、全社員向けのプログラムを受講している。2024年からは第2段階として、部門別に求められるDX人財像に合わせてカスタマイズした、部門DX推進者向けのプログラムを実施しているところだ。今後は、さらに、社外リソースも活用した上級レベルのプログラムで、全体のDXリーダーの育成を目ざすという。モチベーション高く取り組んでもらうための仕組みとして、プログラム修了者には、国際的な技術標準規格に沿った、社内外で通用するデジタルスキルの履修証を付与する。デジタルのバーチャルな証明書「オープンバッジ」で、初級の「DXnterced」、「DXder」まで、細かく5段階で設定されている。全社員向けプログラムを修了した約1万人が「DXBeginner期計画が終了する2027年末までに、DXリーダー150人、部門別DX推進者300人の育成を目標としている。吉岡室長は、「『DXアドベンチャープログラム』は、全社員を対象に、段階的なレベルアップを図るためのものです。花王グループ全員の力の底上げの部分とともに、スペシャリストもBeginnermediate」、「DXExpert」、「DXを取得しており、中」」Iきちんと育成していく必要があります」と第2段階に入ったプログラムの意義を強調する。術者ではないものの、ITツールを活用して、自分の職場・現場の課題を簡単なプログラム開発などによって改善する取組みが、さまざまな部署で草の根的に広がっていた。「シチズン・ディベロッパー」と呼ばれる人たちで、現在では、それぞれの職場で約1500人が活躍している。いまでは、全社的な取組みとして、20から、「DX27年までのシチズン・ディベロッパーの育成Advan目標を3000人と設定している。また、サポーLeaト体制として、活動を発表して共有する場の「シチズン・ディベロッパーEXPO」や、交流のための「コミュニケーションサイト」が立ち上げられている。えて、DXの専門人財の確保・育成が必要と単純に考えてしまいがちだが、花王の取組みがきわめてユニークなのは、職場レベルでのDX人財の育成と職場・現場の問題解決を組み合わせた点だ。じつはこのプログラムを始める前に、IT技DXというと、きわめて技術的なことととら全社的に広がった「シチズン・ディベロッ左から企業PR戦略部の鈴木千賀子さん、全社DX推進部先端技術戦略室の松下芳さん、全社DX推進部戦略企画室の吉岡光司室長2024.816職職場場レレベベルルのの課課題題解解決決草草のの根根的的DDXX推推進進をを生生んんだだ

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