の実現」の使命のもと、「よきモノづくり」、「絶えざる革新」などを「基本となる価値観」とする「花王ウェイ」が掲げられており、日々の業務で「花王ウェイ」を実践するためのプログラムも行われている。さまざまな世代の社員が、同じ目標、同じ目線で仕事をしていくためのベースとなっているといえる。シチズン・ディベロッパーの戦略的な意義について、松下さんは「ようやく戦略的なものになってきました。3年前にこの簡単なプログラム(ローコード)を使ってアプリをつくる技術に出会ったときに『これだ!』と思いました。花王には、もともと自分たちでいろいろなものを開発していく土壌があるので、簡単なプログラミング(ローコード)でいろいろなアプリをつくれると知ったときには、いままで外注していたものが内製化できるうえに、そのなかに自分たちの考えやアイデアを入れ込めることに気づきました。つまり、職場・現場で抱えている自分たちの課題がきちんと解決できるということです」と話す。さらに、「これは、人財育成の課題である技能伝承にもつながっています。若い人は簡単にプログラムの技術は学べるけれど、それだけではよいアプリはできません。じつは、ベテランが持っている経験値をかけ合わせることで、〝心温まる〟ようなアプリができるのです。これが実用的で、なおかつ楽しい仕事なのです。ワクワク感を持てる実例を積み上げて広げていくべく、会社側もここ数年でいろいろな仕掛けをしてくれました。そのおかげで、機運が盛り上がり、いまでは全社的な取組みになりました」と話す。松下さんは、米国の実業家で詩人のサミュエル・ウルマンの「青春の詩」を引用して、「年を重ねただけでは、人は老いません。理想を失うときにはじめて老いがくるのです」と、シニア世代にエールを送る。全社員を対象とするDX推進プログラムでは、特に高齢社員をターゲットにした取組みを展開しているわけではないが、「高齢社員は経験値が高いことはもちろん、自分たちの職場の課題についても意識が強い。これをうまく若い人たちとマッチングできれば、ワクワクできる活動が職場で広がっていきます。職場でのワクワク感は、つくろうと思っても、簡単につくれるものではありません」(松下さん)との発想が、シチズン・ディベロッパーの活動につながっている。花王の企業文化について、「われわれのコア技術は界面化学の技。コア技術は企業の文化風土にもつながっています。人と人の間にも界面が存在していて、そこに何らかのアイデアや刺激を落とすと、さっと社員間に馴染んでいきます。そんな組織風土がわれわれの強みなのです」と分析している。んは、「年齢にかかわりなく、それぞれの個々の人間にそれぞれのよさや考え方があり、その力を発揮できる環境を整えていくのが、基本的な考え方だと思います。社員それぞれがお互いに、積み重ねてきたものに対する尊厳を尊重し合い、それをうまく組み合わせてわれわれの『よきモノづくり』が形になっているのです」と説明する。バイスとして、「それぞれの人たちが、それぞれの年齢で、それぞれいろいろなことができるのだと理解することが一番大切だと思います。私の場合は、たまたまそれがアプリ開発でした。それぞれが主人公になって自発的に考え、勉強し、さまざまなものにチャレンジすることが大切だと思います」と強調した。松下さんは、草の根の活動が生まれるような花王におけるシニアの働き方について松下さ最後に松下さんは、働くシニアに対するアド2024.818職職場場ににななじじむむDDXXににベベテテラランンののワワククワワクク感感ででアアイイデデアアをを実実現現すするる土土壌壌ががDDXXのの推推進進にに活活かかさされれてていいるる
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