エルダー2024年8月号
24/68

■■■■■■■■■AIとは縁遠かったあるベテラン社員は、次世代醸造プラントに向けて、AIを活用した設備の必要性を感じてP■ythonを学び、その過程で何万回もエラーを出しながらも、いまでは画像認証で杜■氏■をサポートするAI技術の開発まで手がけるようになった。頼委員長自身もITストラテジストの資格取得の勉強をしながら、業務でDXを実践して学びを活かしてきた。ベテラン勢もDXを拒否することなく、業務に必要なITスキルを習得している。デジタルを苦手とするベテラン世代の社員のサポートについては、導入時に研修会を実施して目的を説明し、細かい操作は各部門のDX推進委員会のメンバーが懇切丁寧にフォローしている。「当社はフルオーダーメイドの製造ということで、さまざまな経験を経て高いスキルを持つベテラン社員を尊敬する風土が根づいています。そのうえでベテラン社員がシステムの使用に苦労していれば、若手社員が進んで手助けをしています」(頼委員長)製造部のDX委員である甲■元■久■美■子■さんは「ベテラン社員からシステムの操作について聞かれたら、まず何をやりたいかを聞きます。一度教えた内容であれば、もう一度復習しながら行います。みなさん少しずつ対応していますし、『わからないことを聞く』ということは、『デジタル化に対応していく意欲がある』ということなので、その気持ちがすごいと思います。私自身あまりITに詳しくないので、どちらかというと、ベテラン社員のみなさんと同じ気持ちでわかりにくい点などに共感しながら話を聞いています」甲元さんから、システムの操作方法などについて、よく教えてもらっているという、製造部生産管理グループ顧問の谷■幹■夫■さんは、「システムが新しくなり、最初は本当にたいへんでした。そもそも基本的な用語がよくわからず、前に聞いた言葉でもたまに使うだけだと忘れてしまうので、その都度聞いて教えてもらっています。時代とともに仕事のやり方が変化していくなかで、環境は昔には戻りませんから、わからないことも勉強をして、聞いて、覚えて、挑戦する気持ちをいつも持っています」と話す。谷さんがおもに使っているのは、図面・文書管理システム、そして生産管理システムである。「以前は、他部署に頼んで印刷してもらっていた図面や、実績や調達に関することなど、知りたい情報が自分のパソコンですぐ見られるようになり、仕事はとても効率的になり、業務への向き合い方が未来志向になってきたことを実感しています」(谷さん)トについて、頼委員長にうかがった。「DXを推進すれば、それだけで効率化する・便利になる、というわけではありません。当社の場合も、それまで阿■吽■の呼吸で上手くいっていたアナログ作業をデジタル化することで、多くの社員に大きな負担がかかりました。DX推進により確実に効率化はしていますが、全社員がDXの必要性に納得し、さらに、たいへんであっても、その先の未来を楽しみに『DXの推進は将来のため』、『高みを目ざすため』と考えられたのは、経営理念やビジョンが浸透していたからです。DX推進は社員がそのマインドを持てるようになっているか否かがキーになると思います」ワラテクノアート。現在は据付現場での搬入ルートや配管の検討に3Dスキャンを活用する取組みのほか、ベテランのさまざまな経験や知識を全社で活用できるようナレッジデータベースの構築に取り組んでいる。これからもベテラン社員が持つ知見を活かしながら、デジタル化を推進していく方針だ。最後に、DX推進を成功させるためのポインDXの力で経営基盤の強化を進めてきたフジ2024.822ベベテテラランン社社員員ののたためめののササポポーートトDDXX成成功功ののカカギギはは社社員員へへののビビジジョョンン浸浸透透

元のページ  ../index.html#24

このブックを見る