■■「家族や友人から『すごいね』とほめられるようになり、それが従業員の自信や誇りを高めることにつながりました。人はほめてもらう機会が増えると前向きになれるものです」(宮﨑さん)陣屋コネクトを通じた情報共有でサービスの質が向上し、宿泊客が喜んでくれる。それも従業員が前向きになる力となった。陣屋コネクトの導入は、さまざまな効果をもたらした。・手書きの手間を省き、作業の重複や漏れなどのトラブルを防止。いつ・だれが・何をしたかの履歴が残る・女将や従業員の頭の中にしかなかった接客のための情報が、陣屋コネクト上に蓄積・スタッフがいつでもどこでも最新情報を共有できることにより、「いった・いわない・聞いていない」のトラブルが解消。部門を越えた情報共有で組織の一体感が向上・細やかな「おもてなし」を実現業務の効率化が進み、サービスの質が向上したことで細やかなおもてなしが可能となり、リピーターの宿泊客が増えて、廃業寸前だった旅館は約3年で黒字経営に転換した。また、以前は指示待ち体質の従業員が多かったそうだが、DXの推進と同時に、各従業員が複数の業務をこなすマルチタスク化にも取り組み、短期間に変化に対応し続けたことで、従業員が自律的に考え判断する組織に変わったという。DX推進の取組みを、宮﨑さんは次のようにふり返る。「DXは、まさに当社の転換点でした。『何とかして業績を回復させなくては』という思いから始まった取組みですが、システムを開発し、それを従業員が活用し、そこから得たメリットをサービスに転嫁して、こうしていまお客さまをお迎えすることができ、従業員に過度な負担をかけることなく事業運営ができています。ありがたいことに人員が確保できているのも、DXに取り組んでいたからこそだと思っています」人員の確保については、「旅館を憧れの職業に」という方針を掲げ、働き方改革にも積極的に取り組んでいる。DXの推進により業務の効率化を実現したことで、従業員のプライベートの充実や自己研■鑽■を奨励し、副業も推奨しており、現在では旅館全体の休館日を設けて、従業員の「週休3日制・副業可」を実現し、全国から注目を集めている。一方で、独自開発した旅館管理システムである陣屋コネクトを、同業他社へ販売する会社を立ち上げた。また、陣屋コネクトを通じた交流を発展させ、地域全体でマーケティング、集客の強化とDXを推進するための地域観光DXプラットフォーム事業も始動している。員数は46人。そのうち正社員が23人、パートタイム従業員が23人で、60歳以上はパート従業員が10人ほどとなっている。最近はスマートフォンを使用する人が増えていることから、採用した従業員が陣屋コネクトに慣れるまでの苦労などは特にないという。でもらいたいと考えている企業へのメッセージをお聞きすると、宮﨑さんは「高齢だから苦手と決めつけず、興味を持ってもらうこと、むずかしいものではないと説明すること、同じ質問をされても面倒な顔をしないことがポイントではないでしょうか。会社のメリットだけに注力せず、職場の環境をよりよくし、従業員の業務負荷が軽減されることで、新しいことにチャレンジする時間を生み出していけることなども説明し、理解を得ながら進めることが重要だと思います」と語ってくれた。2024(令和6)年6月時点の陣屋の従業最後に、高齢従業員にデジタルスキルを学ん2024.826週週休休33日日制制をを実実現現業業績績改改善善とと組組織織のの成成長長にによよりり説説明明とと理理解解をを得得てて進進めめるるこことと取取組組みみののポポイインントトはは、、てていいねねいいなな
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