身体に負担のかからない働き方で会社に貢献同社で勤続年数が最も長く、最年長の石■井■和■夫■さん(69歳)は、印刷会社などの勤務を経て1997年に知人の紹介で同社に入社しました。以降、LPガスを配送するために車の大型運転免許をはじめ、「充てん作業者講習修了証」、「高圧ガス移動監視者講習修了証」を取得。さらに、シリンダー(ガスボンベ)配送のための「販売主任者免状」、「テールゲートリフター特別教育免状」を取得し、長年にわたりおもにバルクローリーに乗車してLPガス配送業務に従事してきました。バルクローリーとは、LPガスを家庭や事業所などに配送・充てんする車で、必要な資格を持つ人だけが運転できる車輌です。「定年まで大型のバルクローリー車に乗って県内を走りまわって配送したおかげで、道路、地理を覚えることができました。運転することに負担を感じることなく、幸い事故もなくここまでくることができました」と石井さん。面などを考慮して会社と相談し、2年前からは勤務を週2日にして、LPガス配送業務を担当しつつ、月末は事務作業の手伝いをしています。同社の勤務時間は8時〜17時となっていますが、担当業務などによって柔軟に勤務時間を調整することが可能で、■■この3年間で4人を採用できたそうです。また高齢者雇用制度も改革しました。藤田プランナーが相談・助言業務で同社を初めて訪問した2023年4月は、まさに改革の最中だったそうです。「当時、60歳を超えた社員の方が比較的多いという現状と、会社としては、年齢についてはあまり意識されていないということでしたので、定年引上げや継続雇用年齢の引上げについてアドバイスを行いました」と藤田プランナー。継続雇用の上限年齢を引き上げ、基準該当者を70歳まで雇用することを提案したところ、同社はそれを上回る制度改定を行い、2024年5月に定年60歳を維持し、希望者全員を年齢上限なく継続雇用する制度にあらためました。黒澤取締役は、「年金の受給年齢が上がっていることなどに加え、当社の配送業務には資格と経験が必要ですから、ベテラン社員はとても大切な存在です。継続雇用は年齢で決めるのではなく、体力などに合わせてフルタイム勤務のほか、週2〜3日の勤務にするなど、働き方に柔軟性を持たせて長く働ける内容にしました」と現制度に改革した視点を語ってくれました。そして高齢社員には、「特に若い人の育成指導の役割を期待しています」と話します。今回は、勤続27年の高齢社員と、ともに働く2人の同僚にお話を聞きました。石井さんはおもに6時〜15時勤務で働いています。「いまは、ボンベを配送する社員と一緒に乗車し、老人ホームや病院などへLPガスを配送しています。ボンベは重いので、けがをしないように注意し合ってがんばっています。週2日勤務は、身体に負担のかからないちょうどよい働き方だと思っています」と現在を語ります。若手社員に仕事を教えることもあるそうですが、「教えるというより、けがをせず、安全に働いていくためのポイントを伝えているようなものです」と穏やかな表情で話します。また、事務作業については10年ほど前に病気をして、仕事に復帰した直後に手伝っていたことがきっかけで、以来ずっと続けていると教えてくれました。石井和夫さん「LPガスを配送する大型バルクローリーには、現在もときどき乗っています」60歳以降もフルタイムで働いていましたが、体力2024.836
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