エルダー2024年8月号
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■■■■社外の人たちとの学び合いに効果シニア層も積極的に参加「社内EKKYO」―ふだんと異なる環境で「今後の自分」を考えるダーシップ、④マネジメント、⑤セルフマネジメント、⑥思考力、⑦コミュニケーションの7種のテーマで、約120のコンテンツをラインナップ。スタートからこれまでに、延べ約700人の社員が参加している。学び方改革プログラムの目的は、「新たな価値観、付加価値・多様性を持つ人財の醸成」だ。外部のプログラムを受講することで、社外の人たちと交流し、視野を広げることも、重要なポイントとなっている。「研修で学ぶ内容そのものへの期待もありますが、自分でプログラムを選んでいくことや、社外の人たちと一緒に勉強することの意味が非常に大きいと考えています。プログラムを通じて、いわゆるハシゴを上っていくような単一型のキャリア形成だけではなく、上下左右と自由に動けるようなキャリアへの視野を広げていただく。そういうところにも期待しています」(古森さん)学び方改革プログラムの参加者を年代別に見ると、「管理職少し前の世代」の30〜35歳ぐらい、「管理職になって間もない、あるいは組織長になる少し前の世代」の40〜45歳ぐらいの割合が多いという。シニア層については、「特に多いということはないが、参加割合が特に低いということでもない」のが現状。全社の年代構成比と申込者の年代構成比に大きな差はなく、「研修についてポジティブに前向きに考えている人が、シニア層にもたくさんいる」と見ている。同社の研修体系には、「社内EKKYO」というプログラムもある。「会社主導のキャリア形成」から、「社員個々の価値観・挑戦意欲に基づく主体的なキャリア形成」へと、社員の意識改革をうながすことを目的とした社内インターンシップの取組みで、2016(平成28)年から続いているものだ。同社には、薬の研究開発を行う部門をはじめ、生産、営業、コーポレート部門まで、さまざまな職場があるが、社内EKKYOでは、人事異動をともなうことなく、自部門以外の実務を経験したり、会議などに参加したりすることができる。自部門以外の情報や他部門の仕事の意義、業務の進め方の違いなどについて知るのに加え、ふだんと異なる環境に身を置くことで、「自分自身が今後どうありたいか」を考える機会にしてもらうのが、プログラムのねらいだという。「キャリアを志向していくうえでは、当然のことながら広い視野が必要だと認識しています。キャリアオーナーシップを築くためにも、社内EKKYOは、きわめて重要なイベントです」と、グローバルHRキャリアディベロップメント部タレントディベロップメントグループの近■藤■樹■グループ長。「キャリアオーナーシップ」とは、一般的に「個人が自分自身のキャリアに対して主体性(オーナーシップ)を持って取り組む意識と行動」をさすが、「企業にとって、社員のキャリアオーナーシップを高めていくことは、とても重要な課題。そうした認識が、このプログラムにつながっている」という。2023年度は、11部門で、計82人が社内EKKYOに参加。スタート以来の参加者は延べ364人にのぼる。若手層が多いが、ベテラングローバルHRキャリアディベロップメント部タレントディべロップメントグループの近藤樹グループ長41エルダー〝〝学び直し〟

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