エルダー2024年8月号
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人生100年時代のライフプラン100歳までの40年の資産配分を考えること山中 まずは資産の棚卸しをすることです。企業年金や公的年金以外に入っている民間の個人年金保険のほか、自宅や親からもらった土地を売ったらどれくらいになるのかなど、将来受け取るものも含めて点在している資産の棚卸しをします。そして次は100歳までの40年間にどう配分していくかを考えます。月々の生活費や臨時の介護費用など、ある程度予測して配分計画を立てることが基本です。老後のお金は「いま資産がいくらあるか」ではなく、「月々の家計が回っていくこと」が重要です。資産がなくてもキャッシュフロー、つまり入ってくるお金で生活が回っていれば心配することはありません。生活費の足りない部分は資産を取り崩すという計画を立てていくと少しすっきりすると思います。山中 りの年金が入ります。妻が専業主婦の場合、円ほしい場合、毎月の赤字を補填するために資産を取り崩しながらずっと生活していくのは、いつお金がなくなるのかわかりませんし、非常に怖いものです。その場合、年金のくり下げ受給で増やす方法もあります。年金の受給を5年間遅らせて70歳から受け取ると、29万8000円になります。それで終身、年金だけで暮らせます。もちろん65歳から70歳までは無年金状態になりますが、5年間の生活費は会社員をずっと続けてきた人はそれな退職金や資産を取り崩せばよいでしょう。100歳まで年金だけで生活できる状態をつくり、さかのぼって65歳から70歳まで資産を取り崩すか、あるいはもうちょっと働こうかと考えていくと安心できるのではないでしょうか。山中 す。若いころは人的資産づくりに軸足を置き、スキルの修得や将来のキャリア形成、人脈をつくることで自分の付加価値を高めていくことが大切になります。やがて歳を重ねると人的資産が少しずつ減少し、金融資産づくりに変わっていくのが普通の人の人生です。20〜勉強したり、リスキリングによって自分の付加価値や稼得能力を高めるなど、人的資産価値を高めることを意識しながら働くことがますます重要になっています。お金の投資も大資産には人的資産と金融資産がありま―老後の生活費を確保するにはどういう方法がありますか。や、40〜50代のミドル世代の資産形成についてはどのように考えていますか。―現在も働いている20〜30代の若者世代3エルダー30代にとっては若さも体力も人的資産です。21万円ぐらいです。例えば生活費として30万65歳時点で夫婦が受け取る年金の平均値は月

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