エルダー2024年8月号
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FLEX柔軟なリーダーシップ権威と協調を自在に使い分ける「指示通り」ができない人たち川■■﨑■■千■歳■■ 訳/ディスカヴァー・トゥエンティワン/榎■■本■■博■■明■■ 著/「準備作業 本書は、数十年に及ぶコーチングの経験をもつ著者が、多様なクライアントへの実践と事例、リーダーシップに関する最新の科学をもとに、現代のリーダーに必要な資質とその伸ばし方についてまとめた実践書である。動きが速く、気まぐれに変化する今日の社会で成功するリーダーには、権威(アルファ型)と協調(ベータ型)を自在に使い分け、状況に応じて柔軟に役割を変える能力、すなわち「FLEX能力」を身につけることが求められるという。本書は「FLEX能力」の重要性と、その能力を効果的に伸ばすための六つの資質(「柔軟性」、「意志力」、「感情的知性」、「真正性(自分らしさ)」、「協調性」、「積極的関与」の知識と身につけるための具体的な方法を説く。第1章自分を知る旅」から、第2章「熟達したリーダーになるためのマインドセット」、第3章「柔軟性を身につける タを自在に切り替える」などの10章で構成されている。自分のリーダーシップのスタイルがわかるチェックリストを活用することもできる。年齢や業界、企業規模にかかわらず、自身の成長を願うリーダー、いま課題を抱えているリーダーに特におすすめの一冊。アルファとベー管理職として責任感を持って仕事に臨んでいるものの、部下が思うように動いてくれない…。部下の育成と人材マネジメントは、いまも昔も管理職が抱える悩みの上位にあげられる。かつて、指示がなければ動かない社員が「指示待ち族」と呼ばれたが、指示をしたところでそもそもその通りに動くことがむずかしい、という人もいるという。いったことが、なかなか伝わらないのである。また、自分の力量に気づかず「できる人」のようにふるまって迷惑をかける人や、取引先に一緒に行ってもまったく違う理解で物事を進めてしまう人、状況の変化に対応できず、すぐにパニックになってしまう人などもいる。本書は、このような人材を前にして、どう指導したらよいのかわからず困惑する管理職の声を紹介しながら、その改善策を考えていく。心理学の博士号を持つ著者と悩める上司の会話形式で文章が展開され、多様なケースについて、どのような能力的要因が関係しているのか、改善するにはどうすればよいのかを具体的に示す。事例のなかに、自分や同僚にもあてはまる内容がみつかるかもしれない。管理職にかぎらず、職場での円滑なコミュニケーションや仕事の進め方のヒントにもなる内容といえるだろう。ジェフリー・ハル 著、日本経済新聞出版/2530円日経BP990円2024.856※このコーナーで紹介する書籍の価格は、「税込価格」(消費税を含んだ価格)を表示します「FLEX」能力を身につけ、変化の時代を生き抜くリーダーになる!困った行動の根拠とその対応へのヒントを、会話形式で具体的に説明

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