エルダー9特集65歳以降も働ける職場のつくり方シニア社員に適用する業務シニア社員に適用する業務【質の観点】【質の観点】4実際に会社がシニア社員に適用する業務・役割は大きく五つ程度に分けられると思われます(図表3)。一番高いレベル5は組織マネジメントや高い専門性を活用した事業推進があげられます。これらは、部長やITの技術を有しプロフェッショナルとして事業を創出していた方が実力を保持し現役同様の働きをする場合※2が想定されます。レベル4は組織マネジメントの補佐や経営管理業務があげられます。マネジメント補佐としては、マネジメントの業務の一部代行や、組織運営の助言・補助をにないます。経営管理業務は、内部統制制度の整備など、事業全体を見渡して、健全化・効率化する業務となります。レベル3〜1は担当者として業務をになうイメージです。そのなかでリーダーとして業務を統括するレベル3、一人前として業務を遂行するレベル2、担当者の補助、あるいは定常的な事務作業をになうレベル1に分けられます。これらのレベルの5段階と、前項のシニア社員個人から見た質の変化(パターン)がどのように整合するかを考えます。まず、現役時に部長(組織マネジメント)をになっていたA氏を※2 実際には、レベル5の65歳までマネジメントや技術者として最前線で活躍する人材はきわめて珍しい存在と考えられます。しかし、近年の職務を軸とした人材マネジメントの考えに照らすと(本人が十分に活躍できる状態を確認したうえで)、年齢に関係なく役割・職務をになう枠組みを検討する余地はあると考えられます想定すると、現役並みに働く(①)場合はレベル5が当てはまります。一部業務を軽減させる(②)場合はレベル4、大幅に軽減させる(③)場合はレベル3〜1が当てはまります。次に、現役時に担当者として業務を統括していたB氏を想定すると、現役並みに働く(①)場合はレベル3が当てはまります。一部業務を軽減させる(②)場合はレベル2、大幅に軽減させる(③)場合はレベル1が当てはまります。同様に担当者としての業務をになっていたC氏については、現役並みに働く(①)場合はレベル2、一部業務を軽減させる(②)場合はレベル1となります。C氏の業務を大幅に軽減させる(③)場合は、業務量の観点で軽減させる対応となります。シニア社員に適用する業務をシニア社員に適用する業務を創出する場合創出する場合(職務開発)(職務開発)のポイントのポイント5前項のシニア社員に適用する業務について、新たに業務を創出することも考えられます。具体的には、業務を新設する場合と、既存業務を体系化・内製化する場合があります。業務を新設する場合は、例えば、働き方改革推進プロジェクトなどが考えられます。既存業務を体系化・内製化する場合は、個々人の経験やノウハウを形式知化する(ナレッジマネジメン図表3 シニア社員に適用する業務例と業務を割り当てる社員イメージ■ 組織マネジメント■ 高度専門職パターン①現役並みパターン②一部軽減パターン③大幅軽減A氏パターン①現役並みパターン②一部軽減パターン③大幅軽減B氏パターン①現役並みパターン②一部軽減C氏■ 組織マネジメント補佐■ 経営管理業務■ 担当者業務の統括■ 担当者業務の遂行 □一人でこなすイメージ■ 担当者業務の補助者 □指示のもとで、業務の補助を行うイメージ■ 定常的な事務作業レベル5レベル4レベル3レベル2レベル1会社がシニア社員に適用する業務例業務を割り当てる社員イメージ※三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社が作成
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