エルダー17特集65歳以降も働ける職場のつくり方2023年から取り組んでいる一連の人事・賃金制度の改定について、松村部長は次のように話す。「人的資本経営の考え方に基づき、すべての世代の『人財』が、自身の成長にチャレンジし、持てる力を最大限に発揮できる職場環境の実現を目ざして取り組んだものです。人財育成やキャリアアップに向けたサポートは、以前から注力していましたが、2023年4月に全職員が学ぶことができる企業内大学を新たに設立しました」企業内大学「京都中信コーポレートユニバーシティ(KCCU)」は、同金庫の「新たな人財育成体制」として2023年4月にスタート。全職員が入学し、退職するまで学習を続ける場として、「経営戦略と連動した体系的な学び場の提供(業務別・階層別にさまざまな研修を実施)」、「動画学習コンテンツ(8000本以上の動画を提供)」など、自律的に学習できる仕組みが構築されており、就業時間内外で受講することができる。経験を活かし経験を活かし6565歳以降も管理職をになう歳以降も管理職をになう若手の成長がやりがいに若手の成長がやりがいに業務サポート部の沢さわ井い伸のぶ之ゆき部長(66歳)は、65歳定年以降の「嘱託職員Ⅰ」の勤務形態の職全職員が退職するまで学習できる全職員が退職するまで学習できる企業内大学を2023年に設立企業内大学を2023年に設立同金庫では、65歳以降の嘱託職員に対しても、評価に応じて昇給も可能な処遇制度を導入している。以前から定年を迎えた職員の多くが、再雇用を希望して継続して働いているが、直近の人事・賃金制度の改定以降、その希望者は増えたという。また、定年年齢の引上げと55歳以上の賃金・処遇体系の改定により、努力次第で65歳まで途切れることなく処遇が上がる可能性もある仕組みとなったことから、中堅層の職員のモチベーションがアップしているという変化も感じられるという。また、65歳以降も活躍をうながすための取組みとして、51歳以上の職員を対象に、キャリア開発研修を実施している。55歳以上の賃金・処遇体系の改定にともない始めた研修で、これまでのキャリアをふり返り、今後の自身の働き方、ライフプランを考えてもらう機会として、また、職員としての意識をあらためて高める機会としてもらうことを目的としたものだ。さらに、年齢にかかわりなく受講できる多彩な研修があり、65歳以降の職員も若い職員もだれもが参加できるという。員としてフルタイム、かつ定年前の役職を継続して勤務を続けている。松村部長は、65歳以降の嘱託職員の管理職の継続について「だれもが継続できるものではない」と話す。沢井部長自身は、「管理職を続けるのは年齢的に少しきついかな」と考えたこともあるそうだが、期待されていることに感謝し、管理職を続けることを決心したそうだ。人事総務部の松村博幸部長(左)、業務サポート部の沢井伸之部長(右)。企業内大学「京都中信コーポレートユニバーシティ(KCCU)」にて
元のページ ../index.html#19