エルダー2025年1月号
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2025.124シニアの活躍が求められる時代背景ダイバーシティ時代の到来本日は、シニアの活躍が求められている時代背景や、現在の日本企業におけるミドル・シニア社員の状況について整理するとともに、それらをふまえて、シニア社員を含む「人を活かす経営」の常識を見直すことをテーマにお話をしたいと思います。 まず、時代背景についてですが、少子高齢化により、生産年齢人口の減少がいちだんと進んでいます。生産年齢人口を1990(平成2)年と2021(令和3)年で比較すると、9000万人弱から7500万人に減少しています。その一方で就業者は増えています。女性のほか、シニアが長く働くようになってきていることが大きな要因です。 昭和の高度成長期にできあがった、現在も多くの企業で取り入れられている組織モデルは、20代~50代半ばぐらい、かつ、おもに男性の力に頼って成り立ってきました。育児や親の介護といったプライベートな事情にあまり制約・制限を受けない労働力として、会社は男性に頼ってきたわけです。 時代は流れ、現代は女性やシニアも働くようになり、ライフイベントに影響を受ける人々が増えているので、そうしたことに配慮をしながら総力戦で働くという時代になりました。 2021年に改正高年齢者雇用安定法が施行され、70歳までの就業確保措置が企業の努力義務となりました。法律では、65歳以降は就業確保という枠組みで、自身が望めば個人事業主になる、1人社長になって会社と業務委託契約を結んで働くということも視野に入っている、そういう時代になっています。 世界11カ国で「何歳まで仕事をしたいですか?」とたずねた調査結果※1によると、「働けるうちはいつまでも」と答えた人の割合は、日本ミドル・シニア社員を活かす経営の新常識株式会社FeelWorks代表取締役/株式会社働きがい創造研究所会長/青山学院大学兼任講師 前まえ川かわ孝たか雄お「令和6年度高年齢者活躍企業フォーラム」基調講演株式会社FeelWorks代表取締役の前川孝雄氏 2024(令和6)年10月4日に開催された「高年齢者活躍企業フォーラム」より、株式会社FeelWorks代表取締役の前川孝雄氏による基調講演の模様をお届けします。現代の企業に求められている「人を活かす経営」のポイントとして、ミドル期以降のキャリア自律の支援、シニアのモチベーション変化、リスキリングについてお話ししていただきました。七新春新春特別企画特別企画①※1 リクルート・Indeed「グローバル転職実態調査(2023)」★「令和6年度高年齢者活躍企業フォーラム」基調講演は、JEEDのYouTube公式チャンネルでアーカイブ配信しています。こちらからご覧いただけます。https://www.youtube.com/watch?v=-hhbczkIHCg➡

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