エルダー2025年2月号
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自律的な人材の確保・育成に向けた人事制度と働き方の改革令和6年度生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム三菱マテリアル株式会社人事労政室室長三菱マテリアルの職務型人事制度について当社の創業は1871(明治4)年で、2021(令和3)年に創業150周年を迎えました。従業員数はグローバルで約1万8000人、そのうち日本が約1万1000人です。非鉄金属事業を柱に、加工事業(銅加工)、高機能製品(電子材料、超硬工具)の製造を行っています。社是に「人と社会と地球のために、循環をデザインし、持続可能な社会を実現する」を掲げています。「循環」とは金属資源のほか、われわれが「静脈機能」と呼んでいるリサイクルに注力し、豊かな社会、循環型社会、そして脱炭素社会に貢献することを目ざしています。私たちの人事制度改革は、HRX(ヒューマン・リソース・トランスフォーメーション)と呼んでいます。2017(平成29)年の品質問題の発生を契機に、ガバナンスの強化、そして組織能力の強化に取り組んできました。2021年には四つの経営改革として、CX(組織・経営管理の改革)、DX(データ・デジタル技術活用改革)、業務効率化、そしてHRXに取り組んでいます。これらは相互に連関しており、HRXは「変化に適応する自律的な人材の確保、育成に向けた人事制度、働き方の改革」をうたい、そのなかでテーマを設けて取り組んでいます。HRXのおもな施策は職務型人事制度、および次世代経営人材の育成、社内公募制度、新たな研修体系、そしてDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の推進があります。についてお話しします。制度適用者は管理職層で、2022年4月1日に導入しており、給与については同年7月からの運用となります。たのは2021年1月ですから、1年3カ月のスピード感を持って導入したものです。その間、制度導入までにすべてのポジションについて職務評価を行い、2022年度は移行措置期間とし、給与減となる社員には激変緩和措置として調整給を支給しました。ありますが、当社は原則60歳の到達年度末をもって、役職を退くことになっています。当社は長年、年功序列、職能資格制度(以下、「職務資格」)で運用してきた会社ですので、なか本日は「職務型人事制度」(以下、「職務型」)職務型人事制度の導入に向けた検討を開始しこれは職務型の思想と相違するところでは事例発表③「『ジョブ型』人事から考える〜シニア人材の戦力化」廣ひ川か英ひ樹きわろで    2024年10月10日開催15★  「令和6年度 生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム」事例発表(三菱マテリアル株式会社)は、JEEDのYouTube公式チャンネルでアーカイブ配信しています。 こちらから、ご覧いただけます。 https://www.youtube.com/watch?v=tkW7BCaM5AU特集生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム 〜開催レポートⅠ〜

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