エルダー2025年2月号
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制度の浸透と運用のカギは各層とのコミュニケーションつまり、「社員にどうやって腹落ちしてやはりていねいなコミュニケーションに今野 もらうか」ですよね。そのためには、どんなことが大切になるでしょうか。神山 尽きると考えています。2017(平成29)年ごろから議論を始め、改革に向かう施策がほぼそろいつつある現在ですら、ふと議論が頓挫することもあります。とにかくあきらめずにジョ今野 ありがとうございました。では、最初の論点として、ジョブ型をうまく推進していくうえでの秘訣について教えてください。谷 経営陣がしっかりコミットメントして進めることが非常に重要だと思います。ジョブや職務をベースに考えていくことは、従来の仕組みからは大きな転換となります。それについて、社員としっかりコミュニケーションを図り、理解してもらわなくてはいけません。制度変更の説明についても、経営トップから必要かつ大事な制度変更であること、全社的にとても重要な、経営の根幹を考えていくものとして意識して進めていくとのコミットメントがあったので、より進めやすかったところがあります。神山 やはり従業員のマインドセットが重要だと思います。なぜ当社はジョブ型に向かっていくのか。これについて、経営・幹部層から一般従業員に至るまで、腹落ちできるかがとても大切です。当社の場合は、経営戦略の流れからの人財戦略として、ジョブ型に進んだわけですが、その文脈で話しても、自分ごととしてとらえられていない人が少なからずいるので、まだ到達すべきところまでたどり着けているわけではありません。それぞれの従業員たちが自分なりのジョブ型をしっかり理解することが重要だと考えています。2025.218学習院大学名誉教授 今野浩一郎氏コーディネーター学習院大学名誉教授今野 浩一郎氏パネリスト株式会社資生堂 ピープル&カルチャー本部変革推進グループ マネージャー谷 圭一郎氏株式会社日立製作所 人財統括本部 人事勤労本部 ジョブ型人財マネジメント推進プロジェクト シニアプロジェクトマネージャ神山 靖基氏三菱マテリアル株式会社 人事労政室 室長廣川 英樹氏

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